ここでは、CBInsights社が毎日更新しているユニコーン企業のデータ(as of uploaded)を用いて、投資会社の投資先傾向を探索的に分析していく。つまり、どのような投資会社が、どのような産業のスタートアップに投資しているのかを明らかにする。
データの詳細はこちらで紹介されているのでここでは触れない。
ここでは、本探索的データ分析の結果を解釈する上で、重要だと思われるデータ加工について触れておく。下記、4点が本データ分析において重要だと思われる。
Investors
の表記ゆれ“Softbank Capital”を例にすると、“Softbank Group”, “SoftBank Group”,“SoftBankGroup”というように、表記が揺れているものもまとめている。また、“Google”を例にすると、“Google”, “Google Capital”, “Google Ventures”と“Google”に関連するであろう投資会社を“Google”とまとめる処理を行っている。 修正に関する詳細は本ノート末尾の「Investors
の表記ゆれ」を参照。
Industry
の表記ゆれ“Auto & transportation”を例にすると、“Auto & transport”,“Auto & transportation”というように、表記が揺れているものをまとめている。 修正に関する詳細は本ノート末尾の「Industry
の表記ゆれ」を参照。
Valuation
の分解本分析において、投資会社の評価額を可視化する必要がある。そのうえで、“Toutiao (Bytedance)”を例にすると、このスタートアップは“Sequoia Capital China”, “SIG Asia Investments”, “Sina Weibo”, “Softbank Group”の4つの投資企業から評価されており、Valuation
は75となっている。このような場合に、この75という評価額を投資会社数で割ったものを各投資会社の評価額と換算している(各投資企業は18.75づつ評価したとしている)。本来は、各投資会社で均一ではないと思うが、配分が不明なので、このまま進める。
本分析において、10件以上の投資を行っている投資会社のみを、これ以降の可視化の対象としている。
格子図を用いて投資会社と投資産業の組み合わせを可視化する。件数の多さが円のサイズと比例する。投資していない産業は円がなく空白となる。
“Sequoia Capital”, “Softbank Capital”はほぼすべての産業に渡って投資を行っている。一方で、“Google”は“Fintech”, “E-commerce & direct-to-consumer”に、“Insight Partners”は“Internet software & services”に投資先を限定しているように見える。
投資会社別の投資件数を棒グラフで可視化する。“Sequoia Capital”, “Softbank Capital”, “Tencent”がTOP3である。投資件数については、“Sequoia Capital”が圧倒的に多い。
格子図を用いて投資会社と投資産業の組み合わせ可視化する。評価額の高さが円のサイズと比例する。
“Tiger Global”の“Consumer & retail”への投資が最も評価額が高い。また、“Matrix Partners”は“Auto & transportation”に力をいれて投資しているのだろうか。
投資会社別の投資金額を棒グラフで可視化する。
“Softbank Capital”, “Sequoia Capital”, “Tiger Global”がTOP3である。件数と比較すると、“Softbank Capital”、“Sequoia Capital”が入れ替わっている。“Softbank Capital”、“Sequoia Capital”ともに他の投資会社と比べて“Artificial intelligence”への評価金額が大きいのが印象的である。
また、“Tiger Global”の“Consumer & retail”への投資が大部分を占めており。調べると“JUUL Labs”という電子タバコを扱うスタートアップ1社のみへの評価であった。
Industry
の表記ゆれInvestors
の表記ゆれについて