ワールドクラスのデータ活用企業AirbnbのNPSスコア

顧客のエンゲージメントを測る指標の一つとして日本でも根付きつつあるNPS(ネット・プロモーター・スコア)ですが、ワールドクラスのデータ活用企業のAirbnbが自分達のスコアを公開していたので、そちらを紹介します。

元の記事は、「NPSがどれだけ再予約の先行指標になりうるのか」という内容で、結論から言うと、「NPSのスコアと再予約に相関は確認できるものの、再予約に至るかの予測に大きく貢献するわけではない」という話になるのですが、ワールドクラスの企業のNPSがどのような分布になっているかの参考になるかと思います。

  • How well does NPS predict rebooking? - Link

以下、要約。


NPSのスコアの分布

(X軸: NPSのスコア / Y軸: 回答者の割合)

NPSの回答に関する基礎情報は以下の通り。

  • 60万人のゲスト(顧客)が回答
  • デトラクターは全体の2%
  • 回答は10(プロモーター)に集中

NPSのスコアと1年以内の再予約率

(X軸: NPSのスコア / Y軸: 1年以内に再予約したゲストの割合)

上記のチャートから、NPSのスコアと1年以内の再ブッキング率に強い相関があることが分かります。

信頼区間つきで可視化しているところは、さすがデータ活用企業といったところです。 (各点の上下に伸びている区間のことを信頼区間と呼びます。信頼区間についてはこちらで詳しく説明しています。)

NPSのスコアとリファラル(紹介)率

(X軸: NPSのスコア / Y軸: Airbnbを他の人に紹介した人の割合)

1年以内のリファラル(紹介)率もプロモーターはそれ以外のグループと比べて明確に高いことが分かります。

この結果は中々、面白くて、信頼区間を知らないとNPSが上がればリファラル率も上がるといった解釈になってしまいますが、信頼区間つきでリファラル率を可視化することで、リファラル率はプロモーターかどうかで差が出そうということを理解し始めることができます。


あとがき

本日はワールドクラスのデータ活用企業AirbnbのNPSスコアに関する記事を紹介しました。

本記事ではAirbnbのNPSのスコアは公開されていませんが、AirbnbのNPSのスコアは「トップクラス」と言われる70を超えていると言われており、回答が最高スコアの10に集中していることからも、そのことが伺えます。

またNPSのスコアと、再予約率やリファラル率の関係を、信頼区間つきで可視化していることからも、会社としてデータ活用を推進していることが伺えました。

NPSに関する詳しい内容や実際に自分達のデータを使って計算してみたい方は以下をご参考ください!

  • SaaS アナリティクス・ワークショップ #9 - NPS(ネット・プロモーター・スコア)の計算 - リンク