東京のAirbnbは誰が、どこで、どんな目的で利用しているのか?

Airbnbが日本でも流行していると最近よく耳にするが、東京だとどのエリアの物件が豊富なのだろうか?物件が豊富なエリアについての理解を深めることで、利用者のニーズが見えてくるかもしれない。

物件数

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まず本当にAirbnbが流行しているかを物件数の推移で確認したい。掲載を辞めた物件もあるかもしれないので、本データが全ての物件数の推移を表しているとは言い切れないが、物件数を登録物件の累計数と仮定すると、東京の物件数は伸び続けていると言える。

なお2017年に登録数の下落が見られるが、これは民泊法(住宅宿泊事業法)の議論、制定、施行と関係があるかもしれない。

訪日外客数と物件数の推移の関係

物件の増加はインバウンド需要増に伴うものと想定されるが、念のため、両者の関係を調べてみる。東京に限定した訪日外客数のデータは取れなかったが、下記にて年別の訪日外客数のデータが公開されてたいので、データを結合してみた。

  • 年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移 - リンク
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Y1軸に物件数、Y2軸に訪日外客数を割り当てたところ、因果関係が証明されたわけではないので注意が必要だが、2011年以降、両者の間に相関が見て取れる。

物件数(上位20 - 区市町村別 )

では東京都内であれば、どこでも物件が増えているのだろうか。その疑問を明らかにするために、以下、区市町村別の物件数の推移を見てみる。

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すると大きく伸びている区と、そうでない区に差があることが分かってきた。また物件数が多い区市町村から並べるとトップ10は以下となった。

  1. 新宿区
  2. 台東区
  3. 豊島区
  4. 墨田区
  5. 渋谷区
  6. 大田区
  7. 港区
  8. 中央区
  9. 中野区
  10. 杉並区

利用者はAirbnbに何を求める?

ではAirbnbの利用者は宿泊施設にどのようなことを求めているのだろうか。今回のデータには様々な情報があるが、データを見ると、「name(宿泊施設名)」に多くのホストがアピールポイントを記載していることが分かる。

アピールするということは利用者にとってプラスになる情報が掲載されている、言い換えればユーザーが求めている情報が含まれているとも言え、このコメントを利用すれば、利用者にどのようなニーズがあるのかのヒントが見つかるかもしれない。

今回は形態素解析した結果をワードクラウドで可視化して、どのようなコメントが多く使われているのかを見てみた。

参考: ワードクラウドを使ってテキストデータを可視化する

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すると数字、時間、地名、wi-fiが多く出現することが分かった。このワードクラウドを物件数の多い区市町村から順にいくつか見て、各エリアにおけるニーズを理解していきたい。

新宿区

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  • 乗降客数日本一位のターミナル駅ということで新宿駅と駅への近さについての言及が多い。

台東区

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  • 浅草、上野、秋葉原といった観光名所に関する言及と、そのエリアへの近さについて言及が多い。

豊島区

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  • パターンとしては新宿と似ている。乗降客数日本二位のターミナル駅ということで池袋駅への近さについての言及が多い模様。

墨田区

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  • スカイツリーについての言及が多い。
  • 隣区である浅草についての言及も多い。

渋谷区

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  • 新宿と池袋と同様の傾向。

大田区

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  • なぜ大田区に物件数が多いのか不思議だったが、ワードクラウドをみて合点がいった。羽田空港があるのは大田区で、大田区は羽田空港へのアクセスがいいのだ。

まとめ

今回のEDAを通して以下のことが分かった。

  • Airbnbの物件数は増加を続けていて、訪日外客の推移と相関している。
  • 物件数の増加は特定エリアにおいて顕著である。各々のエリアを類型化すると以下に分けられる。
    • ターミナル・エリア…新宿、池袋、渋谷など繁華街としても観光性は高いが、移動のターミナルとなりうるエリア。
    • 観光地エリア…墨田区、台東区。スカイツリー、浅草寺、アメ横など観光地を擁すエリア。
    • 空港エリア…大田区。羽田空港へのアクセスが良い。
  • 各々の物件はターミナル駅や観光駅からの距離であったり、wifiがついているかどうかがアピールポイントになっている。