SaaSアナリティクス — 今さら聞けないサブスクリプション・ビジネス最重要指標 — Vol. 4— チャーン率

どうも!シリコンバレー発、データサイエンスの民主化を行なうためのツールを作っているExploratoryという会社で働いているIkuyaです。

前回はコンバージョンがどのようなものであるかについて簡単に説明しましたが、今回はチャーン(解約)に関連するいくつかの指標について深掘りしてきます。

新規顧客の獲得 = 成長?

今回は顧客の月額単価が10,000円のサービスを例にあげ、話をしたいと思います。以前の記事では下図のように新規顧客の獲得がSaaSビジネスの成長の源泉になるという話をしました。例えば毎月新たに4名の顧客を獲得していく場合、 1月は4万円、2月は8万円、3月は12万といった具合にMRRは増えていくからです。 ## チャーン(解約) では新規顧客を獲得すればするほどSaaSのビジネスが成長していくのかというと、必ずしもそういうわけではありません。なぜなら下図のように顧客はサービスをいずれ解約するからです。この解約のことをSaaSの世界ではチャーンと言いいます。

2月の収益減

例えば上図のような場合、2月は2名の顧客が解約しているので、元々見込まれていた収益より20,000円減ってしまうことになります。

20,000円 = 2人(2月の解約者数)× 10,000円(月額単価)

3月の収益減

3月の場合は、4名の顧客が解約しているので、元々見込まれていた収益より40,000円減ってしまうことになります。

40,000円 = 4人(3月の解約者数)× 10,000円(月額単価)

この月次の収益減をSaaSの世界ではチャーンMRRと呼びます。このチャーンMRRによって元々見込まれていた収益を得ることができなくなるわけです。例えば2月は元々8万円のMRRを見込んでいましたが、2万円分のチャーンMRRが発生したことにより、実態として下図のように2月に得られるMRRは6万円となるわけです。

Net new MRR

このようにSaaSのビジネスでは新規顧客から得られる月次収益つまりはNew MRRだけでなく、チャーンMRRも同様にビジネスに大きなインパクトをもたらします。例えばチャーンMRRがNew MRRより大きかった場合、ビジネスは縮小してしまうわけです。従ってSaaSビジネスの成長はNew MRRだけでは計ることができず、New MRRからチャーンMRRを差し引いたもので計られるべきなのです。この指標をNet new MRRと呼びます。

チャーン率

サブスクリプション・ビジネスの成長のためには、このチャーンするユーザーの数、もしくはチャーンにより失われることになる収益を最小化することが重要になってきます。

そのためにこのチャーンのトレンドを理解するために、よくチャーン率を毎月(または毎年)計算しKPIとしてモニターしていくことになります。

例えば2月のチャーン率を計算する場合、前月から今月にかけてキャンセルした顧客の数を、前月までいた顧客の数で割ることになります。

まとめ

今回は、チャーンをモニターしていくことがサブスクリプション・ビジネスの成長のために重要だという話をしました。

チャーン率の罠

ところで、チャーンを一つの数字として毎月追っているだけだと、ビジネスの問題がしっかりと把握できていないという事態に陥ってしまいます。これは、多くのスタートアップが犯してしまう間違いです。というのも、顧客になった時期によってチャーン率は変わってくるものなので、一概にすべての顧客をまとめてチャーン率を出しても、意味のある施策を打つことができないという自体になってしまいます。

そこで、「コホート分析」という手法を使って、グループごとの生存曲線(離脱カーブ)を時間軸で見ていくことになるのですが、それについては次回以降でもう少し詳しく見ていきたいと思います。

お楽しみに!


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