Airbnbのスーパーホストに最速でなるための3つの戦略

第5回目のEDASalonのデータは、最近オリンピックのパートナーになって話題になっているAirbnbのデータだ。

目的

Airbnbにはスーパーホストというものがある。

スーパーホストとは、評価・経験ともに最高水準のAirbnbホストを称え応援する認定プログラムのようだ。

実際に、宿泊施設を検索すると下記のように、スーパーホストには専用のタグが付いており、このマークを見ると信頼できる施設だと直感的に理解できる。そして、スーパーホストだけを表示するフィルタもあったりと、かなり優遇されていることがわかる。

さらには、スーパーホストになるとプラスαの収入源注目度アップ毎年$100の旅行クーポンがもらえるようだ。

せっかくAirbnbをやるなら、このスーパーホストを目指したいはずだ。

前提

Airbnbでスーパーホストになるには、下記の条件が必要だとこちらのページに明記されている。

スーパーホスト認定要件

  • 宿泊10件以上の受け入れ実績、または予約3件・計100泊以上の受け入れ実績がある
  • 返答率は90%以上をキープ
  • 酌量すべき事情ポリシーで例外が適用されるケースを除き、ホストによるキャンセル率が1%以下(予約100件中キャンセルが1件以下)
  • 総合評価4.8つ星以上をキープ(退出日ではなく投稿日をもとに過去365日間のゲストによるレビューを集計)

この中にある、返答率とホストによるキャンセル率はデータ分析しなくても、しっかりと管理できる体制を作れば解決するだろう。しかし、宿泊件数やレビューの評価が4.8以上については、ただ闇雲に施策を打つのではなく、データ分析して本当にレビュー評価に効きそうなものを見極める必要があるだろう。

そのため、今回はレビュー評価を上げることを対象に探索的に分析していく。

分析

今回の分析対象である、レビュー評価の分布は下記のようになっている。

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レビュー評価が20や40にあるデータを確認すると、どれもレビュー数が1か2であることがわかった。

そのため、レビュー数が3件以上あるものだけにフィルタしてヒストグラムで可視化した。

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レビューの評価は90以上に集まっている。そして、平均値は92.8とかなり高いことがわかる。

次に、密度曲線を使用して、X軸をレビュー評価にして、色にスーパーホストかどうか割り当ててみてみる。

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スーパーホストの場合は、レビューの多くが評価が90以上で95から100に急な山ができている。それに対し、スーパーホストでないグループは85から95の間に滑らかな山がある。スーパーホストとそうでないグループにはレビュー評価に大きな差があることが確認できた。

このことから、スーパーホストになるための条件にあった評価点が4.8以上というのは本当のように思える。(4.8以上は今回のデータで置き換えると96以上になるはずだ。)

それでは、本題のレビュー評価には何が影響しているのかをみていこう。

まず、レビューの評価が95以上だとTRUEとなるように新しい列を作成した。

次に、レビュー数が3件以上ある宿泊施設のみにフィルタした。

最後に、アメニティを行で分割して一行1アメニティのような形に変えた。

ロジスティック回帰

今回は、レビューが95以上かどうかの列を目的変数としたロジスティック回帰を行う。

回帰にかける前に、使用できそうな変数をピックアップした。

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これらを選んだ基準としては、

  • 目的変数を完璧に予測できる変数以外
  • 多重共線性がないかどうか
  • 実際にアクションに繋げられる変数かどうか

をもとに変数を選んでみた。

事前に変数を選んでいるため、今回の場合は問題ないがExploratoryでは、簡単に多重共線性がないか確認できる。

サマリ

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係数(有意)

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予測影響度

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この結果から以下の変数がレビュー評価を上げるのに関係しているようだ。

  • property_type
  • bed_type
  • amenities
  • beds
  • secyruty_deposit

可視化

宿泊施設のタイプとレビューの高評価

宿泊施設のタイプごとにレビューが高評価の割合を可視化します。

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家やヴィラ、ゲストスイートといった施設のタイプはレビュー評価が高くなりやすいようです。

ベットタイプとレビューの高評価

ベットタイプごとにレビューが高評価の割合を可視化。 ベットタイプ別に見てみるとAirbedとCouchが高評価が100%という結果になっていまいました。

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しかし、ベットタイプ別の数を見てみると多くがReal Bedでそれ以外は少ないです。Airbedは4件、couchに関しては1件しかありません。

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多くがReal Bedのため、AIrbedにしてみると希少性が高まり、高評価を狙えるかもしれませんね。

ベット数とレビューの高評価

ベット数とレビューが高評価の割合を可視化します。しかし、ベット数は関係がないように見えます。

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アメニティとレビューの高評価

アメニティごとにレビューが高評価の割合を可視化します。ちなみに、フィルタを使って行の数が100以上のアメニティのみを表示しています。

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データの数が多いため、表示する値の制限の機能を使って割合が高いTOP30のみを表示します。

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この中で私が気になったものがありました。

  • Children’s dinnerware
  • Children’s books and toys
  • Cofee maker
  • Breakfast

これらのアメニティを充実させると、確かに満足度が高まりそうな気がします。

まとめ

私がもし、Airbnbのホストをやるとしたら非日常感を求めつつも現実的な要素(子供への配慮)を気にした宿泊施設を設計すると思います。

具体的には、

  • 非日常感を演出するためにヴィラやゲストスイートのような宿泊施設タイプにする
  • 希少性を高めるために寝具にAirbedをチョイスする
  • ファミリー層向けに配慮したアメニティにする
    • 子供用の食器や遊べるものを用意する
    • 親用にコーヒーメーカーを用意する

普段は子供のお世話で大変な親も、子供は遊具で遊んでいるために、非日常的な空間でゆったりとコーヒーを飲みながら日頃の疲れを癒すという風景が目に浮かびます。

実際にこの施設があるとかなり評判が高そうです。

ちなみに探してみると、メキシコにはそれっぽい施設がありました。

上記をすることで、他の宿泊施設よりもユニークかつ細かいところにも配慮された宿泊施設を作ることができるのではないでしょうか。

ぜひ試してみてください。