Softbankのビジョンファンドでは、多くのスタートアップに多額の投資をしてきました。最近では、Wework問題(上場延期やSoftbankが経営権取得を模索中)もあり注目を集めています。
今回は、Softbankが投資に参画した企業は他の企業に比べて投資額が多くなる傾向があるのかどうかについてみていきたいと思います。
分析を始めるにあたり、str_detect
を使って、Investorsにsoftbankが含まれる企業に対してTRUE/FALSEをとる列を作りました。
Softbankが投資した企業は29企業ありました。全体の7.3%に及びます。
Softbankがどの企業に投資しているのかは、下記のピボットテーブルをみてください。
Countryごとに投資した会社の数を見てみると、最も多いのはUSの11件でした。
次に、Industry別に見てみると、Auto & transportationが多く、中国版UBERのDidiや、インドでのGrabなどに投資していることがわかります。
Valuationの分布をみたときに、Softbankが投資した会社は桁外れな位置にある企業がいくつかあります。最Valuationが多いのは、TikTokなどで有名なByteDanceで、次にDidiであることがわかります。そしてどちらもSoftbankが投資している企業です。
Softbankが投資したかどうかで、Valuationの平均値を比べてみると、Softbankが投資した企業の平均値は9.7で、Softbank以外の投資家から調達した企業は2.73と大きな違いがあります。
しかし、Softbankが投資した企業は先ほどのヒストグラムでもみたように、桁外れな値がいくつかあったため、平均値が上がっていることが予想されます。
Softbankが投資した企業かどうかで、投資金額を色に割り当てて割合を見てみます。
Softbank以外の企業では、5Billion以下の企業で約90%を占めます。Softbankを見てみると、5Billion以下は62%で、5~10Billionで20%、40Billion以上で10%もあります。
この違いからも分かる通り、Softbankが投資している企業は評価額が高い傾向にありそうです。
下記のチャートは、X軸にValuationが10Billion以上かどうかでTRUE/FALSEに分けています。Y軸には行の数、色にSoftbankかどうかを割り当てて、割合にしています。
これをみると、Valuationが10Billion以上の企業への投資の約26%はSoftbankが投資していることがわかりました。
Valuationが10Billion以上の企業は下記のピボットテーブルをみてください。
ここまでチャートでみてきただけでもSoftbankが投資した企業の評価額は高い傾向があることはわかりましたが、線形回帰を使ってみてみましょう。
下記は、目的変数をValuationにして、予測変数にCountry、Industry、Investors_Softbankを指定して実行した結果です。また、目的変数の外れ値を含んでいます。
ベースレベルはCountryはUS、IndustryはFintechとなっています。
これをみると、Softbankの投資がValuationに関係があるようで、係数は7.8となっています。つまり、Softbankが投資するとValuationが7.8Billion増えるという解釈ができます。
ちなみに、サマリを見てみるとR Squaredは0.1と予測モデルの精度は悪いです。
次に先ほどと同じ条件で目的変数の外れ値を除外して線形回帰のモデルを実行してみます。
外れ値を除外すると、先ほどは関係がなかった変数にも影響が出てきました。CountryはIndonesia、IndsutryはHardWareがValuationと関係しているようです。
Softbankの係数は0.61でした。
今回の分析を通して得られたインサイトは下記となります。
ちなみに、SoftbankはWeworkに、これまで110億ドル投資していたようです。。
今回、分析していて課題またはやってみたいこと。