このことからアメリカの影響力の及びやすい、またはEUのような経済障壁の無い国家を選んで進出しているのではないかと想像される。
以上の考察についてはブラジルといったアメリカの影響力の強い南米地域でもスタバの店舗数が多くない国もあるといった反論が出ようが、これはブラジルのコーヒー生産量が圧倒的であることに起因する外れ値のようなものではないかと推測される。ブラジルの周囲の小国が比較的スタバの店舗数が少なく、長年ブラジルと対立していた背景のあるアルゼンチンやチリにスタバの店舗数が多いことからもアルゼンチンやチリではブラジルコーヒーの直接的な販売は少なくスタバといった店舗に代替されているのではないかと考えられる。
(4)ではアメリカの影響力の及ぶ地域ほどスタバの人数に対する店舗数が多いのではと推測されたが、タイやシンガポールといった店舗数の多い国とインドネシアといったそれほど割合が高く無い国の差が何に起因するのかをより詳しく見るためにGDPの成長率を見ることで詳しく考えてみたいと思う。 https://www.imf.org/en/Data から各国のGDPをUSドルに直したデータを持ってきてデータの無いキュラソー島やモナコを欠損値として削除したうえで検証してみた。
以上のことを踏まえ、次は単純にGDPに基づいて出店戦略を見ていこうと思う。
以上のグラフと先ほどのGDPの成長率、(4)での人口当たりの出店数を総合して考えるとスタバはアメリカの影響力の強い国へ出店していると同時に東南アジアへの出店も積極的に行っていることが分かる。
結論として、スタバは親米色の強い地域へ優先的に出店し、経済発展の利益を東南アジア地域で享受しようとしているのではないかと考えられる。このことを検証するには年ごとのスタバの出店を見ると有意なのではないかと考えられる。