AI プロンプトでPSM分析を行う方法

PSM分析(Price Sensitivity Measurement:価格感度測定法)は、消費者が製品やサービスに対して感じる価格の妥当性を測定し、最適な価格帯を見極めるための分析手法です。

PSM分析では、回答者に対して以下の4つの質問を行い、それぞれの価格ポイントを収集します:

  1. 安すぎる価格:この価格では品質に不安を感じる(安すぎて買いたくない)価格
  2. 安い価格:お買い得だと感じる価格
  3. 高い価格:少し高いと感じるが、購入を検討できる価格
  4. 高すぎる価格:この価格では絶対に買わない価格

これらの回答の各価格帯における消費者の受容度を累積分布で表し、重要な価格ポイントを特定します。

PSM分析における累積分布とは、ある価格以下(または以上)と回答した人の割合を、価格ごとに累積して計算したものです。

例えば、「高すぎる価格」という質問に対して、100人の回答者がいて「1,000円は高すぎる」と答えた人が20人、「1,500円は高すぎる」と答えた人が50人、「2,000円は高すぎる」と答えた人が80人いた場合、各価格における「高すぎる」の累積割合は、1,000円で20%、1,500円で50%、2,000円で80%となります。

重要な価格ポイントは、前述した4つの質問の累積分布の交点をもとに検討します。

  • 上限価格: 「安い価格」と「高すぎる価格」の累積分布の交点。どんなに品質をあげてもこれより高いと購入されづらい価格
  • 妥協価格:「安い価格」と「高い価格」の交点。これくらいはしょうがないと妥協する価格
  • 理想(最適)価格:「安すぎる価格」と「高すぎる価格」の交点。理想的な価格
  • 下限価格:「安すぎる価格」と「高い価格」の交点。これ以上価格を下げると品質に不安を感じ、購入されづらくなる価格

最適な価格帯の決定方法

PSM分析で得られた4つの交点を活用し、ビジネスの目的に応じて以下のステップで価格を決定します。

1. 受容価格帯(レンジ)の把握

まず、「下限価格」から「上限価格」の間を、市場が受け入れる受容価格帯として定義します。

この範囲外で価格を設定すると、極端に「安すぎて不安」と思われるか「高すぎて選択肢に入らない」状態になり、販売難易度が急激に上がります。

2. 戦略に合わせたポイントの選択

受容価格帯の中で、自社の事業戦略に基づき、どの交点に近い価格を採用するかを検討します。

  • 市場シェア拡大を優先する場合(浸透価格戦略) 「理想価格」または「下限価格」に近い価格を設定します。安さによるお得感を訴求し、まずは多くのユーザーに使ってもらうことを目指します。
  • ブランドイメージや利益率を重視する場合(上層吸収価格戦略) 「妥協価格」から「上限価格」の間で設定します。「高いが、それに見合う価値がある」と判断する層にターゲットを絞り、1件あたりの利益を最大化します。

3. 「理想価格」と「妥協価格」のギャップ分析

「理想価格」と「妥協価格」のギャップがある場合は、そのギャップの大きさを考慮して価格を設定します。

  • 理想価格が妥協価格より大幅に低い場合: 消費者が現在の市場相場を「高い」と感じているサインです。価格を抑えるか、あるいはその価格差を埋めるだけの圧倒的な付加価値を提供する必要があります。
  • 理想価格と妥協価格が近い場合: 市場の相場観と消費者の期待が一致しています。理想価格と妥協価格の間で価格を設定することで、大きな失敗のリスクは低くなります。

PSM分析の活用

PSM分析を活用することで、企業は消費者の価格に対する心理的な反応を定量的に把握し、収益性と市場競争力のバランスを取った価格戦略を立てることができます。

特に新製品の市場投入や既存製品の価格改定において、消費者の価格感度を事前に理解することで、価格設定の失敗リスクを大幅に低減できます。また、単なる勘や競合価格だけに頼るのではなく、実際の消費者データに基づいた客観的な価格決定が可能になります。

PSM分析に必要なデータ

PSM分析を実行するには、1行が1人の回答者を表し、前述した以下の4つの価格ポイントの情報を列に持つデータが必要です。(データはこちらからダウンロードが可能です。)

PSM分析を実行する

今回は、1行が1人の回答者を表すアンケートデータを使って、AI プロンプトでPSM分析を実行します。

データには、回答者IDと4つの価格ポイント(安すぎる価格、安い価格、高い価格、高すぎる価格)の情報が含まれています。

初めに「AI データ加工」のボタンをクリックします。

AI プロンプトのダイアログが開いたら、以下のようなテキストを入力し、実行します。

PSM分析を実行して

するとPSM分析を実行するためのコードが生成されます。

使用している関数の説明や期待される結果を確認し、PSM分析用のデータが適切に生成されることを確認し、「ステップとして実行」ボタンをクリックします。

ステップが追加され、PSM分析用の累積分布データを計算できました。

データを確認すると、各価格ポイントにおける累積割合が計算されています。

この累積割合データを使って、PSM分析の特徴的な4つの曲線を可視化できます。

チャート・ビューに移動し、ラインチャートでX軸に「価格」、Y軸に「累積分布」を選択し、集計関数に平均値を選択します。

次に色で分割に、「価格カテゴリー」を選択するだけでPSM分析の結果を可視化できます。

この結果から、18,800円から27,000円の範囲が受容可能な価格帯であり、

特に21,500円付近が最適価格であることが分かります。

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