次回来日の際、9月11日水曜日夕方開催のデータリテラシー・セミナーで、データインフォームドな組織を作るために必要なデミング哲学の実践編として、AmazonのWBR(Weekly Business Review)を使った継続的改善とイノベーションを可能にする仕組みの話をします。
1950年代、日本の製造業はデミング哲学 - データと統計に基づく継続的改善 - を熱心に受け入れました。その結果、日本は敗戦の焼け野原から見事に復活し、驚異的な経済成長を遂げ、世界に誇る経済大国へと変貌を遂げました。
1980年代、日本の製造業の成功に文字通り圧倒されたアメリカの企業は、その強さの秘密を徹底的に研究しました。そして辿り着いた答えが、デミング哲学でした。アメリカはデミング氏を呼び戻し、「If Japan Can, Why Can't We?」のスローガンのもとで、デミング哲学を積極的に取り入れ、品質改善に取り組み始めました。
しかし90年代後半、インターネットの台頭により、製造業の継続的改善を支えるデミング哲学の勢いはやや影を潜めたかのように見えました。
そんな中、アメリカ北西部の小さな町ベルビューで生まれたスタートアップ企業が、この哲学に出会い、デミング哲学をビジネスオペレーションに取り入れることで、飛躍的な成長を遂げました。
そのスタートアップこそ、現在では時価総額2兆ドル(約320兆円)を超え、世界中に150万人を超える従業員を抱える企業となったAmazonです。
毎週水曜日の朝9時、AmazonではCEO以下シニアエグゼクティブ、そして関係部門担当者が集まるWBR(Weekly Business Review)ミーティングが行われます。このミーティングでは、パワーポイントは禁止されており、A4用紙にAmazonが抱える全てのビジネスに関する最新のビジネス指標とその説明が書かれたドキュメントが配布されます。この400以上のビジネス指標を参加者全員で2時間かけてレビューします。
しかし、このミーティングは単なるビジネス指標の確認や議論の場ではありません。データを元に顧客体験を日々向上させ、自分たちのビジネスを継続的に改善し、さらにはイノベーションの機会を探るために、Amazonがデミング哲学を元に作り上げた「仕組み」とも言うべき重要な場なのです。
前回のデータリテラシーセミナーでは、このデミング哲学についての理論的な背景をお話ししました。今回はその実践編として、Amazonがどのようにデータを使って継続的な改善とイノベーション可能にしているのか、その仕組みについて解説します。
Amazonのデミング哲学を元に作り上げた改善の文化の話は、現在ビジネスの改善のためにどうデータを使えばよいのか悩んでいる多くの人たちにとって大きなヒントになると思います。
If Amazon Can, Why Can't We?
お時間の都合がつく方は、ぜひご参加ください!