XmRチャートとは、時系列データから得られた値がシグナルなのか、それとも想定される通常のばらつきなのかを判断するために使えるチャートです。
XmRチャートを使ってビジネスの改善をしていく際に便利な機能を紹介する「XmRチャートの紹介シリーズ」として、特定の期間ごとに分けて管理限界を計算し表示する方法を紹介します。
XmRチャート自体の詳しい説明は、こちらをご覧ください。
時系列データを扱う方、ビジネスの改善のためにデータをモニタリングしたい方
それぞれのデータポイントをわかりやすく表現したい
XmRチャートを特定の期間ごとに分けて管理限界を計算し、表示する方法を紹介します。これにより、例えば施策を行った前後でデータを分けて、それぞれでばらつきやシグナルがあるのかを確認していくことができます。
XmRチャートで特定の期間ごとに管理限界を計算し表示する方法には、主に2つのアプローチがあります。
それぞれの方法について、詳細な手順を説明します。
まず、チャートの「色で分割」に日付列を割り当てます。年月の列を選択します。
デフォルトでは年ごとに分割されてしまうため、特定の月を境に分割するように設定を変更します。
色のメニューから「色、グループ、並び順」をクリックします。
「グループ分けのタイプ」を「論理条件」に変更します。
条件式を設定します。例えば、2024年3月以前と4月以降で分ける場合、以下のように設定します:
次に、条件に該当する表示名を変更します。
最後に、色の設定を変更します。例えば、変更前を青、変更後をオレンジに設定します。
実行することで、ラインチャートを2024年3月以前と2024年4月以降で分けることができました。一方で、管理限界の範囲は先ほどと変わらず、全体での範囲を計算して表示してしまっています。
管理限界の計算を期間ごとに行うために、Y軸のリファレンスラインの設定を変更します。
グループ化の「全体」となっていましたが「色」に変更します。
これにより、期間ごとに異なる色で管理限界が表示されます。
期間に分けたラベルの列を作成するために、日付列から「値を置き換える(条件を指定)」を選択します。
条件のプラスボタンをクリックします。
条件には先ほどと同じように設定を行います。
条件に該当する場合(2024年3月以前)には新しい値に変更前、条件に該当しない場合(2024年4月以降)は「変更後」とラベル付けします。
新しく列を作成にチェックをつけて、列名には「期間」といった名前を付けます。
実行することで、2024年3月以前は「変更前」、2024年4月以降「変更後」のラベルを持った列を作ることができました。
チャートの「色で分割」に、新しく作成した「期間」の列を割り当てます。
これにより、「変更前」と「変更後」で色分けされ、それぞれの期間で異なる管理限界が表示されます。
この方法の利点は、3つ以上の期間に分割したい場合にも対応できることです。条件式を追加することで、より細かい期間分けが可能になります。
以上の方法を使用することで、XmRチャートを特定の期間ごとに分けて管理限界を計算して表示することができます。