ABC分析は顧客や製品などを特定の評価軸に基づいて3つのランク(A、B、C)に分類する分析手法です。Exploratoryでは累積売上割合を計算し、任意の閾値でランク分けすることで、効率的にABC分析を実施することができます。
顧客の重要度や製品の重要度を定量的に評価し、優先順位付けを行いたい方に役立ちます。
多数の顧客や製品を扱う場合、全てに同じレベルの対応をすることは効率的ではありません。売上などの定量的な指標に基づいて重要度を分類し、それぞれに適切な対応方針を定める必要があります。
ABC分析では、評価軸(今回は売上)に基づいて対象を累積割合で分類します。
分類する際の明確なルールはありませんが、上位70%をAランク、70-90%をBランク、残りの10%をCランクとする方法が利用されることがあります。
この分類により、例えばAランク顧客には担当営業をつける、Bランク顧客にはシステムで定期的にコンタクトを取る、Cランク顧客は問い合わせ対応のみを行うなど、ランクに応じた対応方針を定めることができます。
今回は1行が1人の顧客を表し、列には顧客ID、売上などの情報を持つ1年間の売上データを利用します。
まず各顧客が全体の売上に占める割合を計算します。
売上の列ヘッダーメニューから「表計算を作成」の「累計」サブメニューにある「合計の割合」を選択します。
表計算のダイアログが開いたら、データを売上順に並び替えるため、「計算前にデータを並び替える」にチェックを入れ、並び替える列に「売上」を選択し、降順を指定します。
列名を「売上の累積割合」に変更し、実行ボタンをクリックします。
これで売上が大きい順に並び替えられ、各顧客の累積売上割合が計算できました。
累積売上割合に基づいて顧客をABCにランク付けします。
「売上の累積割合」列のヘッダーメニューから「カテゴリーを作成」を選択します。
「カテゴリーを作成」のダイアログが開いたらタイプに「手動」を選択し、区切値として「70, 90」を入力します。
このとき、区切り値は上端の値として含みたいので、「範囲の端の扱い」を「上端の値を含む」に設定します。
次にラベルとして「A,B,C」を指定します。
最後にお新しい列名を「ランク」として実行ボタンをクリックします。
これで顧客を売上の累積割合に基づいてABCにランク付けすることができました。