パラメーター機能を使うと、ダッシュボードやノート上でデータを動的にフィルタできます。さらに、依存関係のあるパラメーターを作成した場合、親カテゴリーの選択に応じて。子カテゴリーの値のリストを自動的に更新して、効率的にデータを絞り込むことが可能になります。
依存関係を持つパラメーターを使って、ダッシュボードやノート上でインタラクティブな可視化や分析を行いたい方に役立ちます。
依存関係のあるデータで、親カテゴリー(例:製品カテゴリー)を選択した後に、それに対応する子カテゴリー(例:製品サブカテゴリー)の選択肢を手動で更新するのは手間がかかります。
今回は1行が1つの注文を表し、製品カテゴリーや製品サブカテゴリーなどの情報を持つデータを利用して、依存関係があるパラメーターを設定して、パラメーターの値を自動で更新する方法を紹介します。
なお、今回は「電化製品」という製品のカテゴリーの中に、「携帯電話」「コピー機」などの製品のサブカテゴリーが含まれるようなデータとなっており、製品のカテゴリーを選択すると、自動で、依存関係があるサブカテゴリーのリストを更新する仕組みを作っていきます。
具体的には、以下のダッシュボードの製品カテゴリーのパラメーターで「電化製品」を選択すると、依存関係にあるパラメーターである「製品サブカテゴリー」の値を自動で「電化製品」に紐付くリストに更新できるようにします。
まず製品カテゴリーのパラメーターを設定します。
製品カテゴリーの列ヘッダーメニューから、「製品カテゴリー」、「どれかに等しい」を選択します。
フィルタのダイアログが開いたら、パラメーターにチェックを付けて、右隣にある+ボタンをクリックします。
するとパラメーターのダイアログが開くので、パラメーターの名前に「Category」と入力し、表示名には「製品カテゴリー」を指定します。
続いて任意のデータ型、入力タイプ、スタイル、オプション、ラベルを設定します。(これらのオプションの詳細はこちらをご参考ください)
続いて、値のリストの設定で「データフレームから値を取得」を選択します。
データフレームには「注文」を選択し、ステップには元データの最初のステップの未加工のデータを選択のうえ、値の列には「製品カテゴリー」を選択します。
これで親パラメーターである製品カテゴリーのパラメーターを設定できたので、パラメーターを保存し、フィルタのダイアログを閉じます。
すると作成したパラメーターがフィルタダイアログの入力欄に表示されるので実行します。
パラメーターを使って、製品カテゴリーでフィルターをするステップが2番目のステップとして追加されました。
今回の処理は、以下のように最初ののデータソースのステップで、データフレームから値を取得して製品カテゴリーのパラメーターを作成し、製品カテゴリのパラメーターでフィルターしているわけです。
次に依存関係がある子パラメーターを設定します。今回は製品カテゴリーが親のパラメーターで、子パラメーターが製品サブカテゴリーという形になります。
ステップメニューの「新規ステップを追加」を選択します。(フィルタの処理を1つのステップにまとめず、新しいステップとして追加するために、ステップメニューを利用しています)
するとステップメニューが表示されるので、「フィルタ」を選択します。
フィルタのダイアログが表示されたら、列に「製品サブカテゴリー」、演算子に「どれかに等しい」を選択します。
先ほどと同じようにパラメーターにチェックをつけ、パラメーターの隣にあるプラスのボタンをクリックします。
パラメーターのダイアログが表示されたら、パラメーターの名前を設定します。
今回はパラメーターの名前を「Sub_Category」に設定し、表示名には「製品サブカテゴリー」という名前を設定します。
続いてデータ型、入力タイプ、スタイルオプション、それからラベルに任意の値を設定します。
次に、パラメーターの値のリストを作成しますが、先ほどと同じように値のリストにデータフレームから値を取得し、データフレームには、今回使用している「注文」を選択します。
ここで重要なポイントは、依存関係を作るために2番目のステップを利用して値のリストを生成することです。
この2番目のステップのフィルタのデータを使うことで、製品カテゴリーでフィルターされたデータをもとに、製品サブカテゴリーのパラメーターの値のリストを作成できることになるわけです。
最後に値の列に「製品サブカテゴー」リを選択して、パラメーターの保存ボタンをクリックし、パラメーターのダイアログを閉じます。
フィルターのダイアログが表示されたら、作成した製品サブカテゴリーのパラメーターが選択されていることを確認して実行ボタンをクリックします。
これにより、それぞれのステップに分かれてフィルターが設定されました。
今回の処理は、以下のように2番目のフィルタのステップで、製品カテゴリーでフィルタをしたデータフレームから値を取得して製品サブカテゴリーのパラメーターを作成し、3番目のステップで製品サブカテゴリのパラメーターでフィルターしているわけです。
このような構造になっているため、2番目のステップのパラメーターが更新された時、製品カテゴリーの情報が書き換わり、それを元に製品サブカテゴリーの値のリストが自動生成されるわけです。
このような構造のデータを使用し、チャートのパラメーター処理を含む箇所にピンが設定されている場合、ダッシュボードが自動的にこれらの依存関係のあるパラメーター情報を表示します。
以下は実際に、パラメーターを含む複数のチャートを使用して、あらかじめ作成しておいたダッシュボードとなります。
ダッシュボード上のパラメーターのアイコンをクリックすることでパラメーターペインが表示されます。
このパラメーターペインでは、作成した製品カテゴリーとサブカテゴリーが確認できます。
例えば電化製品にデータを絞りたい場合、電化製品にチェックを入れます。
ただし、この段階では電化製品を選択しただけでは、製品サブカテゴリーの情報は更新されません。
これは、パラメーターが実行されていない状態では、製品カテゴリーが電化製品に絞られていないためです。
そこで、製品サブカテゴリーのリストを更新するには、電化製品にチェックをつけた状態で実行ボタンをクリックします。
すると、パラメーターが実行され、パラメーターペインを一度閉じて開き直すと、電化製品でフィルターされた状態の製品サブカテゴリーのリストが表示されます。
しかし、依存関係のあるパラメーターリストを更新するために、毎回実行ボタンをクリックするのは非効率です。
そこで、「他のパラメーター値の更新」オプションを有効にすることで、製品カテゴリーに値を選択した時点で、自動的に製品サブカテゴリーのリストを更新することが可能になります。
このオプションにチェックを付けると、パラメーターの選択時に自動的に依存関係のあるパラメーターリストが更新されます。
例えば、オフィス用品を選択すると、製品サブカテゴリーのリストが自動的にオフィス用品に基づいて再生成され、更新されます。
パラメーターの設定が完了したら、製品カテゴリーと製品サブカテゴリーを選択して実行ボタンをクリックします。
これで、オフィス用のうちアートのデータにフィルターされたダッシュボードが表示されます。
この「他のパラメーター値の更新」オプションは、Exploratoryデスクトップだけでなく、Exploratoryサーバーでもサポートされています。
Exploratoryサーバーでも同様に、依存関係のあるパラメーター値のリストを自動的に更新したい場合は、このオプションにチェックを入れることで自動更新が可能になります。