Exploratory アワー #692 - AI プロンプトの紹介: 複数回答のそれぞれの答えが列になっているデータを集計する

顧客満足度調査のような複数回答形式のアンケートデータでは、各回答選択肢が個別の列として格納されていることがよくあります。このようなデータ形式は、特定の回答の集計や可視化を行う際に課題となります。例えば、「サービスの改善点」という質問に対して「通話品質」や「サポートドキュメント」といった複数の選択肢が列として存在する場合、それぞれの項目が何件回答されたかを直接集計・可視化することは困難です。

ここでは、AI プロンプト機能を活用し、このような複数回答データを集計・可視化しやすいロング形式に変換する手順を詳細に解説します

問題

顧客満足度調査などのアンケートデータにおいて、複数回答形式の質問に対する回答が、それぞれ個別の列として格納されている場合、データ分析や可視化の際に以下の問題が発生します。

  1. 集計の困難さ: 各回答選択肢が独立した列として存在するため、それぞれの選択肢が何件回答されたかを一元的に集計することが困難です。
  2. 可視化の非効率性: 棒グラフなどで各回答の頻度を可視化しようとすると、Y軸に複数の列を割り当てる必要が生じ、軸の表示が複雑になったり、凡例が直感的でなくなったりします。これにより、データの傾向を迅速に把握することが難しくなります。
  3. データ整形の手間: 複数回答のデータを分析に適した形式(ロング形式)に変換するには、通常、手動でのピボット操作やデータ加工が必要となり、時間と労力がかかります。

これらの問題は、特に大規模なアンケートデータや頻繁な分析が必要な場合に、データ活用の障壁となります。

解決方法

今回使用するデータは、顧客満足度調査の結果であり、1行が1回答者に対応しています。特に「サービスの改善点」に関する複数回答の質問では、「通話品質」や「サポートドキュメント」といった各回答選択肢が個別の列として存在し、回答があった場合は「1」、ない場合は「0」が入力されています。

現在のデータ形式では、各改善点の回答数を効率的に集計・可視化することが困難です。そこで、これらの複数回答列を一つの列に集約するロング形式への変換を行います。これにより、各改善点の種類と回答値が明確になり、集計や可視化が容易になります。

テーブルビューから「AIデータ加工」をクリックします。

プロンプトには「サービスの改善点、通話品質からサービスの改善点、特になしまでの列を1つの列にまとめて」というプロンプトを指定します。このプロンプトにより、指定された範囲の列が自動的にロング形式に変換されます。

このAI プロンプトを実行すると、元の複数列が「改善点の種類」と「回答値」という二つの新しい列に集約されます。これにより、各回答選択肢が個別の行として表現され、データが分析に適した形に整形されます。

これによって複数回答の選択肢が列に分かれていたとしても、回答の選択肢、回答したかどうかの列を使って回答件数を可視化することができるようになっています。

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