採用活動において、空いているポジションの人員を採用できることが重要であることは言うまでもありませんが、人材の採用は一朝一夕に実現するものではありません。
そのため、事業の成長や欠員補充のために、必要な人材を可能な限り短い期間で確保することは、採用活動における重要な課題となります。
言い換えれば、採用期間は採用担当者のパフォーマンスを上げるために見ておくべき採用活動の「効率性の指標」となるわけです。
採用期間は、求人の公開から採用枠が充足されるまでの期間ですが、採用期間の長期化は、採用コストの増加、事業計画の遅延、既存社員の負担増加など、様々な問題につながります。
そこで、求人ごとの採用期間をモニターすることで、採用活動の効率性を評価できるようになるわけです。
今回は以下の2つのデータを使って、募集ID(ある任意のタイミングにおける採用枠に対応する一意なID)ごとに採用期間を計算していきます。
1行が1つのポジションに対する応募を表していて、列には募集ID、応募ポジション、応募者ID、応募ソースなどの情報があります。
1行が募集者に対する選考の情報を表していて、列には応募者ID、各面接の実施日、各面接の結果、内定の受諾状況などの情報があります。
1行が1つの募集の情報を表していて、列には募集ID、募集の開始日、求人広告・転職エージェント/サービスに支払った手数料・採用イベントにかかったコストの情報があります。
なお、「応募」と「選考」データには「応募者ID」という共通する列があるため、両者の結合が可能です。
さらに、「応募」と「プロモーション」データには「募集ID」という共通する列があるため、両者の結合が可能です。
今回は「プロモーション」のデータに、募集IDごとの募集開始(求人公開)日のデータがあるため、後は、採用枠が充足されるまでの期間の情報があれば、募集IDごとの採用期間を計算することが可能です。
また、すでに採用枠が充足されている場合、各募集IDごとの「選考」のデータ内の最後の最終面接日を採用枠が充足されたタイミングと捉えることが可能です。(もし、データに「内定受諾日」といった情報があるようであれば、そちらを利用することも可能です)
しかし、問題が1つあります。それは、上記の「選考」データには、「募集ID」の情報がないため、「プロモーション」のデータに結合することができません。
一方で、前述したように、「応募」データには、「募集ID」の情報と、「選考」データの結合をするための共通するキーである応募者ID」の列があります。
そこで、今回は以下の手順で、採用期間を計算します。
まずは応募データに選考データを結合していきます。
応募データの「応募者ID」の列ヘッダーメニューから「結合」を選択します。
結合のダイアログが開いたら、結合先データフレームとして「選考」を選択します。
続いて結合キーに「応募者ID」が選択されていることを確認します。
プレビューを確認し、結果に問題がなければ実行します。
これで、応募者のリストに選考情報を追加できました。
続いて募集IDごとに最終面接の最後の実施日を集計するために、「募集ID」の列ヘッダーメニューから「集計」を選択します。
集計のダイアログが開いたら、グループに「募集ID」が選択されていることを確認して、値に「最終面接の実施日」を選択し、集計関数に「最後の日(MAX)」を選択します。
続いて列名を「最終面接の最後の実施日」に変更し、実行します。
これで、募集IDごとに最後の面接の実施日を集計することができました。
続いてプロモーションデータに応募データを結合します。
プロモーションデータの「募集ID」の列ヘッダーメニューから「結合」を選択します。
結合のダイアログが開いたら、結合先データフレームとして「応募」を選択します。
続いて結合キーに「募集ID」が選択されていることを確認します。
プレビューを確認し、結果に問題がなければ実行します。
これで、募集IDごとに最終面接の最後の実施日を結合でき、採用期間の計算に必要な情報は揃いました。
採用期間を計算するために「募集開始日」と「最終面接の最後の実施日」の列を選択した状態で、選択したいずれかの列ヘッダーメニューから「期間」の「日数」を選択します。
このとき、まだ採用が継続している場合、「募集開始日」だけを選択して、列ヘッダーメニューから、「期間」を選択した後に、「今日までの」あるいは「特定の日付までの」のメニューを選択し、「募集開始日」から任意の日付までの途中経過としての採用期間を計算することも可能です。
計算を作成のダイアログが開いたら、days_between
という関数が入力されていることが確認できます。
days_between
関数は期間を計算するための関数で、シンタックスはdays_between(開始日, 終了日)
となり、先に古い日付を指定する必要があります。
そこで、計算ダイアログ内の計算式がdays_between(募集開始, 最終面接の実施日)
となっていることを確認します。
最後に、「新しく列を作成」にチェックをつけて列名を「採用期間」に指定して、「この列の後に作る」に「(最後の列)」を指定して実行します。
これで募集IDごとの採用期間(日数)を計算できました。
今回は、紹介した応募者数だけでなく、人事の重要指標とその作り方を紹介する動画を公開しています。
ぜひ、ご覧ください!