XmRチャートとは、時系列データから得られた値がシグナルなのか、それとも想定される通常のばらつきなのかを判断するために使えるチャートです。
今回はXmRチャートの紹介シリーズとして、「右肩上がりに上昇するデータでもシグナルとノイズを見分ける方法」について紹介します。
右肩上がりに上昇するデータに対しては、従来のXmRチャートの適用が難しい場合があります。上昇傾向のあるデータに対してもXmRチャートを効果的に適用する方法を紹介します。
具体的には、前の値との差分を取ることで、値の増減に対して異常なシグナルを検出していくことが可能です。
XmRチャート自体の詳しい説明は、こちらをご覧ください。
データが常に上昇傾向にあるため、最初と最後の期間のデータポイントが管理限界を超えてしまい、本当に注目すべきシグナルを見逃す可能性がある。
週ごとのユーザー数の推移をラインチャートで可視化をします。
Y軸のメニューから「リファレンスライン」を選択します。
リファレンスラインには以下のように設定します。
これによってXmRチャートが作成されますが、右肩上がりデータの場合、最初と最後の期間のデータポイントが管理限界を超えてしまう問題が発生します。
Y軸メニューから「クイック表計算」の「前の値からの差」を選択します。
この操作により、各データポイントが前の値との差分を表すようになり、増減の傾向に対してシグナルなのかノイズなのかを判断していけるようになります。
例えば、9月1日のデータポイントが下側の管理限界を超えている場合、前週(8月25日)から大きな減少があったことを示しています。