このノートでは上記のように、1行が1ヶ月の売上を表すデータを使って、「年度ごと」に毎月の売上を可視化する方法を紹介します。
このようなデータを持っている場合、上記のように「年」ごとに毎月の売上を可視化することは簡単にできます。(詳しいやり方についてはこちらをご確認ください)
ただし、毎月の売上を比較するときは「年」ではなく、「年度」ごとに比較したいこともあるかと思います。
例えば、自社の決算月が3月だったときには、4月が新しい会計年度の初月となるので、当年の4月から翌年の3月までを1つの色(年度)として扱いたいわけです。
2021年12月時点で、Exploratoryは日付のスケールにおいて「年度」をサポートしていませんが、以下のステップで「年度」ごとに毎月の売上を可視化できます。
まずは注文日の列から、年度の列を作成します。
4月決算の場合、注文月が1〜3月だと、注文年の前年が注文年度になります。そこで、年度の列を作成するために、まずは「注文月」の情報を「注文日」から抽出します。
「注文日」の列ヘッダーメニューから、「抽出」、「月 - 数字」を選択します。
すると、計算を作成(Mutate)ダイアログが表示されるので、列名を「注文月」に変更し、実行ボタンをクリックします。
「注文月」の情報を抽出できました。
続いて「注文月」の列から、「年度」の列を作成していきます。「注文月」の列ヘッダーメニューから、「値を置き換える」、「条件を指定」を選択します。
すると、条件を設定して置換のダイアログが表示されるので、条件のボックスをクリックします。
「注文月が3以下であれば、注文年度は注文年の前年になる」という計算をしたいので、条件のダイアログ内の列に「注文月」、演算子に「以下」、値に「3」を選択します。
続いて新しい値のボックスを選択します。
新しい値を入力するダイアログが表示されたら、日付から年の情報を抽出するyear関数を使って年度を計算するためにyear(注文日) - 1
とタイプし、OKボタンをクリックします。
最後に、それ以外の値のボックスをクリックして、注文月が1〜3月以外の注文の年度の情報を抽出します。
注文月が1〜3月以外の場合は注文日の年の情報をそのまま利用できるので、先程のyear関数を使って、year(注文日)
とタイプし、実行します。
これで年度を計算する条件を設定できたので、新しく列を作成にチェックボックスがついていることを確認し、実行ボタンをクリックします。
「注文日」と「注文月」の情報を元に「年度」の列を作成できました。
それでは、作成した年度の列を使って、「年度ごと」に毎月の売上を可視化していきましょう。
チャートビューに移動し、チャートのタイプに「ライン」、X軸に「注文月」、Y軸に「売上」、色で分割に「年度」を選択します。
このとき、ピンが最後のステップに刺さっていることを確認し、もしピンが最後のステップに刺さっていないようであれば、最後のステップに移動させてください。
これで年度ごとに月別の売上を可視化できたように思えますが、1つ問題があります。
それは4月始まりで売上を可視化したいにも関わらず、翌年の1月から3月の売上が先に可視化されてしまっているということです。
そこで、「値の順序をセット」する機能を使って、 月の値の順序を4月から始まり3月に終わるようにセットします。
「値の順序をセット」はデータの型が文字列型のときに利用できる機能となるため、テーブルビューに戻り、「注文月」の列ヘッダーメニューから、「データタイプを変換」、「Character(文字)タイプに変換」を選択します。
計算を作成するダイアログが表示されたら、そのまま実行します。
「注文月」のデータ型を文字列型に変換できました。
続いて、「値の順序をセット」します。
「注文月」の列ヘッダーメニューから、「値の順序をセット」を選択します。
今回は4月に始まって、3月に終わるように値の順序をセットしたいので、計算ダイアログが表示されたら、以下のように計算エディタに入力し実行します。
fct_relevel(注文月, "4","5","6","7","8","9","10","11","12","1","2","3")
これで「注文月」の値の順序をセットできたのですが、テーブルビューでは、値の順序が正しく設定されているかを確認できません。
そこで、サマリビューに移動すると、「値の順序をセット」で設定した順番通りに、注文月のレベルが設定されていることが分かります。
最後にチャートビューに移動して、値の順序をセットしたステップにピンを移動します。
すると、セットした値の順序の通りに月が並び、「年度ごと」に毎月の売上を可視化することができました。