Oracle OCI(Instant Client)のインストールガイド

このガイドでは、Oracle DatabaseへOCI(Oracle Call Interface)で接続するために必要な Oracle Instant Client を、macOSとWindowsへインストールする手順を説明します。

初心者の方は、まず Basicパッケージ だけをインストールしてください。SQL*Plusや開発用ヘッダーが必要な場合だけ、追加パッケージをインストールします。

このガイドはOracle Instant Clientのダウンロードページをもとにしています。パッケージのバージョンやファイル名は更新されるため、画面に表示される最新の対応版を選択してください。

1. OCIとInstant Clientについて

OCIは、アプリケーションからOracle Databaseへ接続するためのAPIです。OCI自体を単独でインストールするのではなく、OCIライブラリを含むOracle Instant Clientをインストールします。

2. ダウンロードするパッケージ

Oracleの公式ダウンロードページを開きます。

必須パッケージ

パッケージ 用途
Basic OCI接続に必要なライブラリ一式。通常はこちらを選択します。
Basic Light Basicの小さい版。利用できる文字コードが限られるため、日本語データを扱う場合はBasicを推奨します。

3. macOSへのインストール

3.1 Macの種類を確認する

「ターミナル」を開き、次のコマンドを実行します。

uname -m

表示結果に応じて、ダウンロードページを選びます。

表示結果 Macの種類 ダウンロードページ
arm64 Apple Silicon(M1/M2/M3/M4など) macOS ARM64
x86_64 Intel Mac macOS Intel x86

Apple Silicon MacではARM64版、Intel MacではIntel版を使用してください。異なる種類のパッケージを選ぶと、アプリケーションからライブラリを読み込めないことがあります。

3.2 パッケージをダウンロードする

  1. 使用しているMacに合ったダウンロードページを開きます。

  2. Basic Package のDMGファイルをダウンロードします。

現在のmacOS版はDMG形式です。ファイル名には macos.arm64(Apple Silicon)または macos.x64(Intel)が含まれます。

3.3 DMGを使ってインストールする

  1. ダウンロードしたBasicのDMGファイルをダブルクリックします。

  2. 追加パッケージもインストールする場合は、すべてのDMGファイルをダブルクリックしてマウントします。

  3. ターミナルで、BasicのDMGがマウントされた場所へ移動します。

cd "/Volumes/instantclient-basic-macos.arm64-<バージョン>"

Intel Macの場合は、フォルダー名の arm64 の部分が x64 になります。実際のフォルダー名は、Finderの「場所」または次のコマンドで確認できます。

ls /Volumes
  1. Oracleのインストールスクリプトを1回だけ実行します。
sh ./install_ic.sh

install_ic.sh は、マウントされたInstant Clientのファイルをインストール先へコピーします。追加パッケージをマウントしている場合も、スクリプトは1回だけ実行してください。

  1. インストールが終わったら、FinderでDMGを取り出します。ターミナルから取り出す場合は、次のように実行します。
hdiutil unmount "/Volumes/instantclient-basic-macos.arm64-<バージョン>"

Oracleの案内では、インストール先の例として ~/Downloads/instantclient_23_26 のようなフォルダーが使われています。インストール先は、後でアプリケーションの設定に指定できるよう、メモしておいてください。

3.4 macOSでインストールを確認する

<インストール先> を実際のパスに置き換えて、次のコマンドを実行します。

OCI_DIR="$HOME/Downloads/instantclient_23_26"  test -f "$OCI_DIR/libclntsh.dylib" && echo "Oracle Instant Client is installed."  ls "$OCI_DIR"/libclntsh.dylib*

Oracle Instant Client is installed. が表示され、libclntsh.dylib で始まるファイルが表示されれば、OCIライブラリは配置されています。

4. Windowsへのインストール

4.1 対応版をダウンロードする

通常の64bit Windowsを使用している場合は、次のページを開きます。

  1. Basic Package のZIPファイルをダウンロードします。

  2. SQL*Plusなどが必要な場合は、同じバージョンの追加パッケージもダウンロードします。

  3. 32bitアプリケーションから接続する必要がある場合だけ、Windows 32-bit版を検討します。64bit版と32bit版は混在させないでください。

4.2 Visual C++ランタイムをインストールする

最新のInstant ClientをWindowsで使用する場合、Microsoft Visual C++ Redistributableが必要です。

自分のWindowsが64bitの場合は、通常 X64 のインストーラーを選びます。インストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールしてください。すでにインストール済みの場合は、修復または更新を選択できます。

4.3 ZIPファイルを展開する

  1. C:\oracle フォルダーを作成します。

  2. ダウンロードしたBasicのZIPファイルを展開します。

  3. 例として、最終的に次のような構成になるようにします。

C:\oracle\instantclient_23_26\oci.dll C:\oracle\instantclient_23_26\oraociei23.dll

oci.dll がInstant Clientフォルダーの直下にあることを確認してください。C:\oracle\instantclient_23_26\instantclient_23_26\oci.dll のように、フォルダーが二重になっている場合はPATHに指定する場所を調整します。

  1. 追加パッケージを使う場合は、同じフォルダーへ展開します。Basicと追加パッケージは、同じバージョンを使用してください。

4.4 PATHに追加する

  1. Windowsの検索ボックスに「環境変数」と入力します。

  2. 「システム環境変数の編集」 を開きます。

  3. 「環境変数」 ボタンをクリックします。

  4. 自分のユーザーだけで使う場合は「ユーザー環境変数」、PC上の全ユーザーやサービスで使う場合は「システム環境変数」の Path を選択し、「編集」 をクリックします。

  5. 「新規」 をクリックし、Instant Clientのフォルダーを追加します。

C:\oracle\instantclient_23_26
  1. 「OK」を押して、開いている設定画面をすべて閉じます。

  2. すでに開いているターミナルやアプリケーションを終了し、新しく起動します。PATHの変更は、すでに起動しているアプリケーションには反映されません。

複数のOracleクライアントをインストールしている場合は、使用したいInstant ClientのフォルダーをPATHの先頭側に置いてください。

4.5 Windowsでインストールを確認する

新しくPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。

$ociDir = "C:\oracle\instantclient_23_26" Test-Path "$ociDir\oci.dll"

True と表示されれば、OCIの主要ライブラリが存在します。PATHにも追加されているか確認する場合は、次を実行します。

$env:Path -split ';' | Where-Object { $_ -eq $ociDir }

5. データベースへ接続する前に準備する情報

Instant Clientのインストールが完了しても、接続先の情報がなければデータベースへ接続できません。データベース管理者から、次の情報を確認してください。

  • ホスト名またはIPアドレス

  • ポート番号(一般的な初期値は 1521

  • サービス名またはSID

  • ユーザー名

  • パスワード

  • TLSやウォレットが必要かどうか

tnsnames.ora を使用する環境では、Oracle Netの設定ファイルをInstant Clientの network/admin フォルダーへ置く方法があります。使用するアプリケーションが別の設定方法を指定している場合は、そのアプリケーションの手順を優先してください。

6. よくあるエラーと対処方法

「OCIライブラリが見つからない」「libclntsh.dylibが見つからない」

  • macOSのCPUに合ったパッケージを選んでいるか確認する。

  • Windowsでは、PATHに追加したフォルダーの直下に oci.dll があるか確認する。

  • PATHを変更した後に、ターミナルやアプリケーションを再起動する。

  • 64bitアプリケーションには64bit版、32bitアプリケーションには32bit版を使用する。

  • macOSのGUIアプリケーションでは、環境変数ではなくアプリケーション側のライブラリ設定が必要な場合がある。

Windowsで「VCRUNTIME」や「MSVCP」関連のエラーが出る

Microsoft Visual C++ Redistributableをインストールまたは更新してください。Oracle Instant Clientのバージョンに対応したランタイムが必要です。

日本語が文字化けする、または接続時に文字コードエラーが出る

Basic Lightでは対応文字セットが限定されます。日本語を扱う場合は、Basicパッケージを使用してください。アプリケーションやデータベースの文字コード設定も確認してください。

「接続拒否」「タイムアウト」になる

Instant Clientのインストールとは別に、次を確認します。

  • ホスト名とポート番号が正しいか

  • VPNや社内ネットワークに接続しているか

  • ファイアウォールで通信が遮断されていないか

  • サービス名またはSIDが正しいか

  • データベース側で接続元のIPアドレスが許可されているか

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