フォロー完了数・完了率は、リード(見込み顧客)に対する営業活動の初期段階における重要な指標です。
具体的には、問い合わせやトライアル申込みなどで獲得したリードに対して、メールや電話での初期コンタクトが完了した数と、全リードに対する完了の割合を示します。
この指標は、商談創出の前段階での営業活動の活動状況を測る上で重要で、特に営業マネージャーや営業担当者にとって、チームや個人のパフォーマンスを評価する際の重要な判断材料となります。
リードの獲得直後からフォローアップまでの期間を短縮し商談機会を逃さないために、日次や週次での定期的なモニタリングが推奨されます。
営業にとって最も重要な指標が売上(受注金額・件数)であることは言うまでもありません。しかし、特に法人向けのBtoBビジネスにおいて顕著ですが、売上はある日、突然、発生するものではありません。
多くの場合、「ファネル(ろうと)」で表現される顧客ステージが進むことで、顧客は購買(受注)に至ります。
言い換えれば、ファネルで表現される顧客ステージごとの指標が、営業のパフォーマンスを上げるために見ておくべき売上の「先行指標」となるわけです。
今回のノートでは、このファネルの顧客ステージである「フォロー済みリード」に注目して、フォロー完了数と、フォロー完了率について紹介します。
リード(見込み顧客)は、問い合わせ、トライアルへのサインアップ、ホワイトペーパーのダウンロードなど様々な経路で、企業に認識されますが、リードからすぐに商談が発生するとは限りません。
多くの場合、お客様にとって価値のある情報を継続して提供することや、自社の製品・サービスの提案を重ねることで商談が発生します。
そこで、営業は、メールや電話などを通してリードと連絡を取り、自社の製品・サービスの価値を知ってもらうためのフォローアップをすることになります。
そこで、どれだけのリードをフォローできているかの指標であるフォロー済みのリードの数(フォロー完了数)をモニターするわけです。
しかし、その時々で、リードの数には増減があるため、リードのフォロー状況をリードの数に左右されることなく比較できるように、実際にはフォロー完了「率」をモニターすることになります。
そして、フォロー完了率の推移をモニターすることで、リードのフォローアップにあたり、問題が生じていないかを理解できるようになります。
さらに、セグメント(例: 部署)ごとにフォロー完了率を可視化して、フォロー率が低いセグメントを見つけたときには、改善に取り組むことが可能です。
ここからはフォロー完了数や、フォロー完了率の作り方を紹介します。(動画で内容を確認したい場合、こちらの動画の6:17頃から、作り方については9:11頃をご参考ください)
今回は、1行が1人の見込み顧客を表す「リード」データと、1行がフォローアップした顧客を表す「フォロー(活動)」データの2つを使ってフォロー完了数とフォロー完了率を作成する方法を紹介します。
なお、リードデータの列には、顧客の登録日などの情報があります。
なお、2つのデータには「顧客ID」という共通するキー列あり、フォローデータには、該当の顧客をフォローアップしているかどうかを表す列があります。
なお、もし行動データにフォローアップ済みかどうかの列がない場合は、こちらを参考にTRUEの列を簡単に追加することが可能です。
今回の形式のようなデータが手元にある場合、以下の手順で、フォロー完了数とフォロー完了率を計算し、指標の推移を可視化できます。
今回は全体の分母であるリードデータに活動データの情報を追加したいので、「顧客ID」の列ヘッダーメニューから「結合」を選択します。
結合のダイアログが開いたら、結合先データフレームとして「フォロー」を選択します。
続いて結合キーに「顧客ID」を確認します。
プレビューを確認し、結果に問題がなければ実行します。
これで、顧客のフォロー状況の列を追加することができました。
今回は、フォロー済みの顧客には、「TRUE」の値が入っているため、サマリカードを確認することで、全リードに対して、430件のフォローを行い、完了率が86%であることが分かります。
続いて、月間のフォロー完了率の推移チャートを作成します。
チャートビューに移動し、チャートタイプに「ライン」を選択します。
今回は月ごとのフォロー完了率を可視化したいので、X軸に「登録日」を選択し、丸め処理を「月」に設定します。
続いてY軸に「フォロー」を選択し、今回はフォロー完了率を可視化したいので、集計関数を「TRUEの割合」に設定します。
このとき、フォロー完了数を可視化したければ、集計関数に「TRUE」の数を選択します。
これで、フォロー完了率付きのチャートを可視化できました。最後にチャートの見映えを調整します。
チャートの設定から、「軸」、「Y軸」のタブに移動し、「0をY軸に含む」のチェックを外し適用します。
フォロー完了率の推移を可視化できました。