人事部門で働く人たちにとって重要なことの1つは、従業員の満足度やパフォーマンスを上げることです。
そのために指標を作って部門ごと、あるいは、マネージャーごとなどの単位で、作った指標をモニタリングし、悪くなっているようであればその要因を分析し、部門やマネージャーをサポートしていくことになります。
そこで、こちらのノートでは、人事部門がモニターすることの多い指標の1つでもある「eNPS(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」を紹介いたします。
eNPS(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)は、従業員の職場に対するロイヤルティと推奨意向を測定する重要な指標で、従業員が自社を働き場所として他者に推薦したいと考える程度を数値化します。
四半期や半期ごとに定期的なモニタリングをすることで、組織の健全性や従業員エンゲージメントの動向を把握し、早期に課題を特定することができます。
特に人事部門のリーダーや経営陣にとって重要な指標となりますが、各部門のマネージャーにとっても、自身のチームの状態を把握し改善につなげるための有用なツールとなります。
人事部門の担当者であれば、従業員が継続して自分達の職場で働きたい、あるいは、他の人に勧めたいと感じているか、言い換えれば、退職を予測できるような先行指標を知りたいと思うことは、よくあります。
そういったときに利用されるのが、従業員の満足度とエンゲージメントを簡単に測る「eNPS(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)」という指標です。
ところで、社内アンケートなどを実施、以下のような質問をすることで、従業員の満足度やエンゲージメントを測ろうとするのはよくやることの1つです。
しかし、上記のような質問の仕方をした場合、回答者(従業員)は、そこまで満足していなくても、なんとなく10や9といったスコアをつけてしまうことも少なくありません。
そこで、eNPSでは**「自分の職場を他の人に推薦したいか」**という回答者が取り得る具体的な行動を質問します。
すると、回答者は自分が具体的な行動を起こすに足るほどの価値を感じたかどうかという基準でスコアを付けるようになるので、より正直な結果が得られるようになります。
例えば、まあまあぐらいにしか感じていないサービスに対しては、適当に9や10といったスコアはつけなくなるわけです。
また、eNPSには独自の計算方法があり、回答者をスコアによって以下の3つのグループに分けます。
そしてプロモーター(推奨者)の割合からデトラクター(非推奨者)の割合を引くことで、eNPSは求められます。
さらに、XmRチャートを利用することで、NPSのスコアが上昇しているか、あるいは下落しているかをモニターして、状況に変化が生じていないかを理解し、必要なアクションをすぐに起こしていくことが可能になります。