採用活動において、空いているポジションの人員を採用できることが重要であることは言うまでもありません。
そして多くの場合、「採用ファネル」で表現される応募者の選考ステージが進むことで、候補者は入社に至ります。
言い換えれば、ファネルで表現される選考ステージごとの指標が、採用担当者のパフォーマンスを上げるために見ておくべき入社者数の「先行指標」となるわけです。
今回は、この採用ファネルの選考ステージである「選考通過」に注目して、「選考通過率」を紹介します。
仮に候補者が面談まで進んだとしても、スキルや経験が求める水準に達していない、企業文化への適性が低い、などの理由で、全ての面談者が選考を通過するとは限りません。
そこで、面談を通して、選考通過に至った人数をモニターすることで、採用活動のパフォーマンスを評価できるようになります。
しかし、その時々で、選考通過の母数となる面談数には増減があるため、面談数に左右されることなく、そのパフォーマンスを比較できるように、実際には選考通過「率」をモニターすることになります。
選考通過率の推移をモニターすることで、以下のような課題が生じていないかを理解できるようになります。
今回は以下の2つのデータを使って、選考通過率を作ったうえで、その推移を月ごとに可視化します。
1行が1つのポジションに対する応募を表していて、列には募集ID、応募ポジション、応募者ID、応募ソースなどの情報があります。
1行が募集者に対する選考の情報を表していて、列には応募者ID、各面接の実施日、各面接の結果、内定の受諾状況などの情報があります。
なお、2つのデータには「応募者ID」という共通する列があります。
仮に、一次面接の次が最終面接となる採用プロセスにおいて、その月に至るまでの一次選考や最終面接の通過率を計算したければ、以下のように、以下の4つの情報が必要です。
そのため、以下のステップで、選考通過率を計算していきます。
こちらのノートで、「一次面接の実施数」、「一次面接の通過数」、「最終面接の実施数」を計算する方法を紹介しており、今回は以下のように、それぞれの指標の月ごとの累積値の計算を終えている前提で話を進めていきます。
今回のデータには、「最終面接の通過数」の情報がないので、3番目の集計ステップのトークンをクリックして、集計のダイアログを開きます。
値に「(行の数)」を追加し、集計関数に「条件にあった行の数(COUNT_IF)」を選択します。
条件の設定ダイアログが開いたら、列に「最終面接の結果」、演算子に「等しい」、値に「通過」を選択します。
列名を「最終面接の通過数」に変更します。
「最終面接の通過数」を追加できていることが確認できたら実行します。
「最終面接の通過数」を追加できました。
この時点では、毎月の最終面接の通過数を集計値になっているので、表計算のステップに移動して、「最終面接の通過数」の累積数を計算するために、表計算のトークンを開きます。
値に「最終面接の通過数」を選択し、計算のタイプが「累計」、集計関数が「合計値」になっていることを確認したら、列名を「最終面接の通過数」に設定します。
「最終面接の通過数」を追加できていることが確認できたら実行します。
「最終面接の通過数」を追加できました。
選考完了率の計算に必要な情報が揃いましたので、選考完了率を計算します。
まずは一次面接の通過率を計算するために、「一次面接の通過数」の列ヘッダーメニューから「計算を作成」の「標準」を選択します。
計算を作成のダイアログが開いたら、計算エディタに 一次面接の通過数 / 一次面接の実施数
と入力します。
新しい列名を「一次面接の通過率」に設定して、「この列の後に作る」を「最後の列」にして実行します。
これで、一次面接の通過率を計算できました。
続いて最終面接の通過率を計算するために、「最終面接の通過数」の列ヘッダーメニューから「計算を作成」の「標準」を選択します。
計算を作成のダイアログが開いたら、計算エディタに 最終面接の通過数 / 最終面接の実施数
と入力します。
新しい列名を「最終面接の通過率」に設定して、「この列の後に作る」を「最後の列」にして実行します。
これで、最終面接の通過率を計算できました。
今回は、紹介した応募者数だけでなく、人事の重要指標とその作り方を紹介する動画を公開しています。
ぜひ、ご覧ください!