受注数 / 受注完了率

営業にとって最も重要な指標が売上(受注金額・件数)であることは言うまでもありません。しかし、特に法人向けのBtoBビジネスにおいて顕著ですが、売上はある日、突然、発生するものではありません。

多くの場合、「ファネル(ろうと)」で表現される顧客ステージが進むことで、顧客は購買(受注)に至ります。

言い換えれば、ファネルで表現される顧客ステージごとの指標が、営業のパフォーマンスを上げるために見ておくべき売上の「先行指標」となるわけです。

今回のノートでは、このファネルの顧客ステージである「受注」に注目して、「受注数」と「受注率」について紹介します。

仮に顧客のステージが商談まで進んだとしても、競合製品を購入したり、導入が見送られることもあり、全ての商談が受注に至るとは限りません。

そこで、商談を通して、受注に至った件数や金額をモニターすることで、営業の最終的なパフォーマンスを評価できるようになります。

しかし、その時々で、受注に至るもととなる、商談の数には増減があるため、商談数に左右されることなく、そのパフォーマンスを比較できるように、実際には受注「」をモニターすることになります。

そして、受注率の推移をモニターすることで、商談のクロージングに問題が生じていないかを理解できるようになります。

さらに、セグメント(例: 競合、エリア、担当営業、部署)ごとに受注率を可視化して、受注率が低いセグメントを見つけたときには、改善に取り組むことが可能です。

受注数 / 受注率の作り方

今回は以下の2つのデータを使って、「顧客セグメント」ごとの受注数や受注率を計算します。

  • (フォロー済み)リード
  • 商談

「リード」データは1行が1人の見込み顧客を表し、列には、その見込み顧客の情報や、すでにフォローアップ済みかどうかや、フォローアップ日に関する情報が含まれています。

また「商談」データは1行が1つの顧客(商談)を表しており、列には、商談の開始日や、競合、受注に至ったかどうか、関する情報が含まれています。

受注数 / 受注率の計算

今回は、以下のステップで、月ごとの受注数 / 受注率を計算します。

  1. リードデータと商談データの結合
  2. フォローアップ済みのリードのみにフィルタ
  3. 商談のみのデータにフィルタ
  4. 受注率の計算・可視化

1. リードデータと商談データの結合

リードデータに商談データを結合する方法はこちらで詳細を紹介していますので、ご参考ください。

2. フォローアップ済みのリードのみにフィルタ

フォローアップ済みのリードのみにフィルタする方法はこちらで詳細を紹介していますので、ご参考ください。

3. 商談のみのデータにフィルタ

1と2のステップを経て、作成されたデータは、以下のようになります。

このデータは、「商談発生日」が欠損値のものも含むため、商談化していないデータも含まれています。

そこで、「商談発生日」列のヘッダーメニューから「フィルタ」、「欠損値を除く」を選択します。

フィルターのダイアログが開いたら、実行ボタンをクリックします。

これで、商談のデータだけが残りました。

なお、今回加工したデータには、「受注」というロジカル型の受注ステータスを表す列があります。

さらに、1行が1人の見込み顧客(今回のデータで言うと商談)を表していますので、月ごとに、「受注」列のTRUEの数やTRUEの割合を集計することで、簡単に受注数・受注率は可視化できます。

4. 受注率の計算・可視化

最後に受注率を可視化します。

今回使用するデータには、チームを表す列があるため、チームごとの受注率を確認します。

チャートビューに移動し、新しいチャートを作成し、チャートタイプに「バー」を選択します。

X軸に「チーム」を設定します。

Y軸に「受注」を選択し、集計関数を「TRUEの割合」に変更します。

「並べ替え」オプションにチェックを入れ、受注率が高い順にチームを並べ替えます。

これにより、チーム別の受注率を示すバーチャートが作成されました。

営業ファネル指標とその作り方

今回、紹介した受注数 / 受注率の作り方に加えて、営業のファネル指標とその作り方を紹介する動画を公開しています。ぜひ、ご覧ください!

なお、受注数 / 受注率の紹介は動画の30:58頃から、作り方については32:56頃から紹介しています。

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