ダッシュボードを運用していると、多くの場合、閲覧者がそれぞれの切り口でデータを絞り込めるようにしたい、というニーズが生じます。
そこで、Exploratoryではパラメーター機能を利用することで、サーバーにパブリッシュしたダッシュボード上で、閲覧者が見たい内容にデータを自由にフィルタすることが可能です。
通常、このパラメーターの値のデフォルト値は、パラメーターの作成者が指定したデフォルト値を利用することになるためダッシュボードの閲覧者がダッシュボードを開いたときには、あらかじめ指定したデフォルト値でダッシュボードが描画されることになります。
なお上記の画像の設定では、デフォルトではどの値にもチェックが付いていないため、全てのマーケットの値を返すようになっているわけです。
一方で、ダッシュボードを開いたときには、常に自分が見たい切り口で、ダッシュボードを閲覧できるように、ダッシュボードを運用したいときもあります。
しかし、前述したように、通常はパラメーターのデフォルト値は決まっているため、1つのダッシュボードに対して、パラメーターのデフォルト値にバリエーションを持たせることはできません。
そこで、このノートでは、ダッシュボードを複製してダッシュボードごとにパラメーターのデフォルト値を保存して、ダッシュボードごとに異なるパラメーターの値がデフォルトでセットされている複数のダッシュボードを作成・運用する方法を紹介します。
また、今回は上記の画像のように、2つの異なるマーケットの設定(全部のマーケット、アジア)をデフォルト値に持つダッシュボードを作成する方法を紹介します。
今回は売上に関するダッシュボードをあらかじめ作成のうえ、サーバーにパブリッシュしていることを前提に話を進めていきます。
また、いくつかのパラメーターを設定しており、その中にはマーケットをフィルタするようなパラメーターがあります。
このマーケットのパラメーターは、デフォルト値として全てのマーケットが選択される設定になっています。
そのため、このダッシュボードにアクセスしたときには、いつでも全てのマーケットのデータが含まれていることになります。
ここからは同じ内容のダッシュボードではあるものの、常に「アジア」にデータがフィルターされているダッシュボードを作っていきます。
まずは、元々あったダッシュボードの複製メニューをクリックします。
ダッシュボードの複製ダイアログが開いたら任意のタイトルを設定します。
続いて複製されたダッシュボードを実行して、パラメーターペインを開きます。
パラメーターペインが開いたらマーケットを「アジア」に変更し、実行します。
ダッシュボードがアジアのデータにフィルターされました。
この状態でパブリッシュボタンをクリックします。
すると、パブリッシュ・ダイアログが開き、パブリッシュされるダッシュボードが背後に見えますが、先程、設定した「アジア」のデータにフィルターされたダッシュボードがパブリッシュされようとしているのがわかります。
パブリッシュが完了したら、パブリッシュしたダッシュボードにアクセスします。
すると、パブリッシュしたダッシュボードがアジアのデータに絞り込まれていることが分かります。
ダッシュボードのURLは2つになりますが、パラメーターの数を増やすことなく、ダッシュボードごとに、異なるデフォルト値を持つ、2つのダッシュボードを運用できるようになるわけです。
最後にパラメーターのデフォルト値は全てのマーケットを選択しているにもかかわらず、なぜマーケットのデフォルト値が「アジア」になっているダッシュボードをパブリッシュできているのかを紹介いたします。
実はExploratoryデスクトップのダッシュボードやノートのパラメーターペインでは「選択された値を保存」というオプションがサポートされています。デフォルトではこちらの設定が有効になっています。
こちらの設定が有効になっていると、元のパラメーターのデフォルト値に関係なく、そのダッシュボード内で最後に指定したパラメーターの値が、そのダッシュボードに保存され、そのダッシュボードのデフォルト値として機能することになるわけです。
なお、「選択された値を保存」のチェックが外れていると、常にパラメーターの設定画面であらかじめ設定していたデフォルト値が、そのダッシュボードのデフォルト値に利用されることになります。