顧客あたりの売上(ARPA: Average Revenue Per Account)は、売上を顧客数で割って算出される営業指標です。
この指標は、個々の顧客がビジネスにもたらす経済的価値を定量化し、ビジネスの成長性や収益性を評価する上で欠かせません。特に、サブスクリプションビジネスやBtoB企業において、この指標は収益構造を理解し、成長戦略を立てる際の基礎となります。
顧客あたりの売上を定期的にモニタリングすることは、営業戦略の有効性を評価し、必要に応じて戦略の見直しを行うために重要です。四半期や月次でのモニタリングが一般的で、特に、新しい商品やサービスの導入時、価格改定時、または競合状況の変化時に、より注目することになります。
この指標は、営業関連部門の中でも、マネージャーや事業責任者にとって特に重要です。なぜなら、既存顧客からの収益最大化戦略を立案する際の基準となるためです。
営業にとって最も重要なことは売上を増やすことですが、売上を増やすには2つの方法があります。
1つは「既存顧客」からの売上を増やすことです。
もう1つは「新規顧客」からの売上を増やすことです。
では、既存顧客からの売上を増やすためには、どうすれば良いかといういうと、最も簡単なアプローチは「既存顧客」の数を増やすことで、そのためには「新規顧客」を増やす必要があります。
しかし、常に新規顧客を増やせるとは限りません。
そういったときには、「顧客あたりの売上」を増やすことで、売上を増やすことが可能です。そのため、営業部門では、「顧客あたりの売上」の推移をモニターすることが重要になるわけです。
「顧客あたりの売上」は、以下のように、ある決まった期間における、売上と顧客数の集計データをもとに計算することが可能です。
なお、多くの場合、注文や決済のデータには、以下のように1行が1つの注文を表しているために、「顧客あたりの売上」を計算するには、多くの場合、売上や顧客数を集計しておく必要があります。
# Step 1: 月ごとに計算するために注文日を月単位に変更
mutate(`注文日` = floor_date(`注文日`, "month")) %>%
# Step 2: 月間の売上合計と顧客数を集計
group_by(`注文日`) %>%
summarize(
`売上` = sum(`売上`), # 売上合計を集計
`顧客数` = n_distinct(`顧客ID`) # 顧客数を集計
) %>% ungroup() %>%
# Step 3: 「顧客あたりの売上」を計算する
# ifelse文は「売上」カラムが存在すればその後に、なければ最後の列の後に新しい列を配置
mutate(`顧客あたりの売上` = 売上 / 顧客数)
顧客セグメントごとに顧客あたりの売上を計算するためには、グループごとに集計した後に、顧客あたりの売上を計算する必要があります。
# Step 1: 月ごとに計算するために注文日を月単位に変更
mutate(`注文日` = floor_date(`注文日`, "month")) %>%
# Step 2: 顧客セグメントごとに月間の売上合計と顧客数を集計
group_by(`注文日`, `顧客セグメント`) %>%
summarize(
`売上` = sum(`売上`), # 売上合計を集計
`顧客数` = n_distinct(`顧客ID`) # 顧客数を集計
) %>% ungroup() %>%
# Step 3: 顧客セグメントごとに「顧客あたりの売上」を計算する
# ifelse文は「売上」カラムが存在すればその後に、なければ最後の列の後に新しい列を配置
mutate(`顧客あたりの売上` = 売上 / 顧客数)
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「顧客あたりの売上」に加えて、営業にとって重要な指標とその作り方を紹介する動画も公開していますので、ぜひご参考ください!