採用活動において、空いているポジションの人員を採用できることが重要であることは言うまでもありませんが、限られた予算の中で、どれだけ効率的に優秀な人材を採用できるかも重要な課題です。
そのため、1枠(あるいは1人)あたりの採用にかかったコストである「採用コスト」が採用担当者のパフォーマンスを上げるために見ておくべき効率の指標となるわけです。
また採用コストは、特定の募集枠に対して、採用にかかった総コストを入社人数で割ることで計算できます。
採用コスト = 採用にかかった総コスト / 入社人数
採用コストを採用期間中、あるいは採用が完了した段階で計算し、コストが高くなっている募集を理解して、改善について検討し始めることが可能です。
今回は以下の3つのデータを使って、募集ID(ある任意のタイミングにおける採用枠に対応する一意なID)ごとに採用コストを計算していきます。
1行が1つのポジションに対する応募を表していて、列には募集ID、応募ポジション、応募者ID、応募ソースなどの情報があります。
1行が募集者に対する選考の情報を表していて、列には応募者ID、各面接の実施日、各面接の結果、内定の受諾状況などの情報があります。
1行が1つの募集の情報を表していて、列には、職種、募集ID、募集の開始日、求人広告・転職エージェント/サービスに支払った手数料・採用イベントにかかったコストの情報があります。
なお、「応募」と「選考」データには「応募者ID」という共通する列があるため、両者の結合が可能です。
さらに、「応募」と「プロモーション」データには「募集ID」という共通する列があるため、両者の結合が可能です。
今回は「プロモーション」のデータに、募集IDごとの(プロモーションの)コストの情報がありますので、実際に採用された人数の情報があれば、採用コストを計算することが可能です。
また、採用された人数は選考データにおいて、「内定を受諾した人数」と捉えられます。
そのため、この両者のデータを使って、以下のようにプロモーションのデータに「内定受諾」をした人数を追加することで、採用コストの計算ができるわけです。
しかし、問題が1つあります。それは、上記の「選考」データには、「募集ID」の情報がないため、「プロモーション」のデータに結合することができない、ということです。
一方で、前述したように、「応募」データには、「募集ID」の情報と、「選考」データの結合をするための共通するキーである応募者ID」の列があります。
そこで、今回は以下の手順で、採用期間を計算します。
まずは応募データに選考データを結合していきます。
応募データの「応募者ID」の列ヘッダーメニューから「結合」を選択します。
結合のダイアログが開いたら、結合先データフレームとして「選考」を選択します。
続いて結合キーに「応募者ID」が選択されていることを確認します。
プレビューを確認し、結果に問題がなければ実行します。
これで、応募者のリストに選考情報を追加できました。
続いて募集IDごとに最終面接の最後の実施日を集計するために、「募集ID」の列ヘッダーメニューから集計を選択します。
集計のダイアログが開いたら、グループに「募集ID」が選択されていることを確認して、値に「内定受諾」を選択し、集計関数に「TRUEの数」を選択し実行します。
これで、募集IDごとに、内定受諾者の数を集計することができました。
続いてプロモーションデータに応募データを結合します。
プロモーションデータの「募集ID」の列ヘッダーメニューから「結合」を選択します。
結合のダイアログが開いたら、結合先データフレームとして「応募」を選択します。
続いて結合キーに「募集ID」が選択されていることを確認します。
プレビューを確認し、結果に問題がなければ実行します。
これで、募集IDごとに内定受諾者の数を結合でき、採用コストの計算に必要な情報は揃いました。
最後に、採用コストを計算するために「求人広告」の列ヘッダーメニューから「計算」の「標準」を選択します。
計算を作成のダイアログが開いたら、計算エディタに以下の内容を入力します。
(求人広告 + 手数料 + 採用イベント) / 内定受諾
最後に、「新しく列を作成」にチェックをつけて列名を「採用コスト」に指定して、「この列の後に作る」に「(最後の列)」を指定して実行します。
これで募集IDごとの採用コストを計算できました。
今回は、紹介した応募者数だけでなく、人事の重要指標とその作り方を紹介する動画を公開しています。
ぜひ、ご覧ください!