イーロン・マスクとジャック・マーの対談 - AIは脅威なのか

ちょっと前にアメリカのイーロン・マスク(Tesla、SpaceX、Boring、Neural Link)と中国のジャック・マー(アリババ)の二人による対談があり、その様子を収めたビデオがアップされていました。

その中でAIに関する議論があったのですが、結構興味深かったです。

マスクはAIは人間にとって脅威であるという立場の人で、ジャック・マーは脅威にはならないと言う立場の人です。

マスクは自分が関わっているTesla、SpaceX、Neural Linkといった会社でも最先端のAIを研究し実際に使っている「現場」の人ですし、さらにこれまでも誰もが無理だと思うような大風呂敷を広げてはそれをやり遂げてきたスーパー・ヒューマンなので、彼が「AIは人間にとって脅威となりうる」と言うときには、真剣に耳を傾けるべきだと思います。

そこで、AIに関する議論の部分だけをハイライトとして紹介したいと思います。

以下、訳。


マスク:多くの人はAIにできることというのを少なめに見ている。彼らはAIをスマートな人間だと思っている。しかし、AIは私達が知りうるどんなスマートな人間よりもさらにはるかにスマートになるだろう。

マー:私が生きている限り人間がコンピューターにコントロールされることになるとは思わない。それは不可能なことだ。人間が人間よりスマートなものを作れるわけがない。

マスク:それには全くの反対意見だ。多くの人が犯してしまう最も大きな間違えとは、自分がスマートだと思ってしまうことだ。

マー:コンピューターはより賢い(clever)かもしれないが、人間はよりスマートだ。

マスク:あー、それは完全に違う。

マー:私は楽観的だ。AIが驚異となることはない。AIはそんなにひどいものにはならない。人間は十分にスマートなのでそのことを学ぶことになる。私達のような人間は、ストリート上がりのスマートなので、そんなものを恐れるわけがないんだ。

マスク:おれはそうは思わない。そういうのを「死ぬ前に言った有名な最後の言葉」っていうんだ。今から40年、50年前にPongっていう卓球のビデオゲームがあったけど、あれは2つの長方形と一つの正方形があるだけだった。それが今や、40の仮想現実のリアルタイムのシミュレーションがあってそこでは何百万人って人たちが同時にゲームを行っているんだ。どれくらいの率かはさておき、とにかくさらにどんどんよくなっていくんだと仮定すると、こうしたゲームはそのうち現実世界との区別がつかなくなるだろう。2つの世界の違いは誰にも区別がつかなくなるんだ。それをよしとするか、そうでなければ文明は終わる。

マー:賢い(Clever)は知識ドリブン、スマートは経験ドリブンだ。コンピューターは人間が作り出した一つの賢いツールだ。コンピューターは賢い、しかしこれから人間によって作り出されるコンピューターよりももっと賢こいツールがもっとたくさんでてくるだろう。

マスク:AIはいずれ人間を完全に再現することになるだろう。そしてそれは多くの人をいっぺんに再現するということだ。実際、すでに私達はコンピューターによって作られたシミュレーションの中で生きていると強く主張するものもいる。


以上、訳終わり。

私もAIが近いうちに私達人間にとっての脅威とはならないと思う立場ですが、それにしてもマスクの言うことには説得力があります。

そして、最後の部分なのですが、実は私達はすでにコンピューターによってシミュレートされた世界に生きているのではないかというのには、ちょっと考えさせられてしまいます。

私達が想像しているのとは違う形で、AIが私達をコントロールし始めるというのはひょっとしたら思ったよりも早く起きることになるのかもしれません。

AIの進化に関してはこれからも注意が必要だというのは間違いないですね。


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