Amazonは本気だ!2025年までに800億円かけて10万人の社員をトレーニング、その中心はAIとデータ。

最近Amazonが2025年までに$700 million(800億円くらい)かけて10万人の社員をトレーニングするというプログラムの発表をしていました(プレスリリース)。

現在USだけだと60万人ほどの従業員ということなので、かなりの規模のプログラムです。

現在多くの仕事がAIや自動化によって失くなってきていますが、それと同時に、ソフトウェアやデータといったテクノロジーに関する仕事は逆にどんどんと増えています。そしてこういった分野での人材が少ないというのはUSでも問題になっています。

そもそも現在の教育システムが、今日のビジネスの世界にマッチしていないことが問題です。20代前半に学校で学んだことや身につけたスキルは、現在のような進化のスピードが速い時代にはすぐに陳腐化してしまいます。

そして、その学校側も、多くの学校では今日教えている内容は30年前と変わりませんし、そこで教えている先生も、今日の世界では当たり前となっているテクノロジーやソフトウェアに関してわかってない人たちが多いというのが現実です。

そこでシリコンバレーの企業なんかはどんどんと社内で社員をトレーニングするプログラムを作り、社員のスキルアップを積極的にサポートしています。

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今回のAmazonの発表はこうした、企業が独自に従業員の教育に乗り出すという流れに乗ったものです。

Amazonで急成長している職種

Amazon社内でこの5年ほどの間にもっとも成長して、人材不足を起こしている職は、データにラベルを付ける仕事(832%の成長)、データサイエンティスト(505%)、ソリューション・アーキテクト(454%)、ビジネス・アナリスト(160%)、セキュリティ・マネージャー(229%)といった仕事だそうです。

ちなみに、データにラベルを付ける仕事は、AIのアプリケーションを作るときに一番重要になる仕事の一つです。

トレーニング・プログラム

マシーン・ラーニング(機械学習)・ユニバーシティというプログラムがあるようで、ここではテクノロジーとプログラミングの経験がある人達を対象に機械学習のスキルを獲得するためのコースを用意しているようです。6週間のコースで週一回ほどの参加が求められるとのこと。Amazonにいる400人ほどの機械学習サイエンティストの人たちが教えているようです。

他にもAmazon Technical Academyというプログラムでは、現在ソフトウェアやテクノロジーのスキルを持たない従業員がそうしたスキルを獲得できるためのカリキュラムを用意しているようです。

データ時代に勝ち残る「意志」が問われている

Amazonも「Software is eating the world」、そして「Data is eating the world」の波に乗って次から次へと既存のビジネスやマーケットを飲み込んでいっていますが、そんな彼らも蓋を開けてみると、他の一般的な企業と同じような問題に直面しています。それは、このソフトウェアとデータの時代に必要なスキルを持った人材の圧倒的な不足です。

ただ、Amazonのような変化のスピードが速くダイナミックな世界を勝ち抜いていく企業が一般的な企業と違うのは、しっかりとこの問題を認識し、解決するために思い切った投資を行い、着実に実施していっているということです。こうした努力の成果が数年後に圧倒的な競争優位となり、逆に他人事にして(例えば外部に委託するなど)、長期的な対策に取り組むのを怠ったような企業を飲み込んでいくことになるのは、すでに「Software is eating the world」の犠牲になった企業を見れば想像できると思います。

データ先進企業というのは、最初からそうだったわけではありません。データ先進企業になるという強い「意志」があったからなれたのです。そして彼らの「意志」は現状に満足することがありません。

みなさん、用意はできていますか?


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