Google.orgはどうやって従業員のデジタルスキルの向上を支えているのか

マッキンゼーのリサーチによると、2030年までに先進的なテクノロジーのスキルを仕事で使う時間はUSで50%、ヨーロッパで41%増加するらしいです。

さらに、基本的なデジタルスキルに関してはUSで69%、ヨーロッパで65%増加するとのことです。

Googleの教育やNPOを支えるための組織であるGoogle.orgの会長であるJacquelline Fullerがマッキンゼーとのインタビューで、彼女のチームがどうやってこうした変化に従業員を備えるためのサポートを行っているのかについて話していたので、ここで紹介したいと思います。

以下、要訳。


スキルギャップを捉えGoogleはオンライン・トレーニングをどう使っているのかに関して聞いてみました。

How Google.org is helping workers prepare for a digital skill shift - Link

テック業界はこうしたトレンドの先頭にいます。というのもコンピュータサイエンスの学位をとって卒業したとき、おそらくいくつかの言語を理解していると思いますが、そうした言語はどんどんと変わっていき、またやり方も代わっていくというのが普通です。ですので、テック企業は、生涯学習、再トレーニングといったことに慣れています。それは私達の日常の仕事の一部なのです。

サーバーを動かし続け、私達のコンピュータを動かし続けるためのテクノロジーに頼っているほとんどすべてのビジネスはテックストップといって、コンピューターに関するサポートを提供してくれるグループが必要です。しかし、今までの私達の経験では、こうした仕事を行う人を探すのはいつもたいへんです。

私達は4年間のコンピューターサイエンスの学位に関してはよく話しますが、デジタル・エコノミーで必要になる他の役割に関しては無視してしまいがちです。このITサポートはそのうちの一つで、それは大抵の場合、誰でもできる仕事で、8から12ヶ月もあれば全く0からはじめても十分なレベルに到達することができます。

McKinsey: スキルのギャップを埋めるための解決策はオンライン・ラーニングでしょうか?

オンライン・トレーニングにかんして興味深いものは、みんなオンライン・トレーニングに関して興奮して、「これこそが解決策だ、デジタルスキルのトレーニングを作って、こうしたコースを無料で提供すればいいのだ!」と思ってしまいがちです。しかし、実際にはほとんどのオンライン・トレーニングの完了率を見てみると、それはかなり低いです。そして、もっともそういったトレーニングを必要とする人に限って、その完了率は最も低いのです。

私が経験上わかっていることは、恵まれていないコミュニティから来た人人達にとって効果的なのはコーチを持つということです。私達は、メンターや励ます人といった意味でのコーチを持つことによる影響を調べています。そしてそこにAIを使おうと思っています。例えばチャットボットを使ったりして、タイミングよく、「このクラスの宿題を終えてないみたいだね。」といったメッセージを送ったりと言った具合です。


以上、要訳終わり。

最後のチャットボットやAIを使ってのコーチングというのは実際どうなのか疑問がありますが、もちろん本人も言っているように、こうしたことはどんどん積極的に試してデータをもとに評価していくべきでしょう。

ただ、重要なのは、オンライン・トレーニングのようなものはあるに越したことはないのですが、やはりなかなか自分で時間を作って継続的に勉強していくというのは多くの人にとって難しいものです。こうした勉強やトレーニングは、直近に効果がいきなり現れるものではなく、さらにやらなくても何かが急に自分に降り掛かってくる問題になるというわけではないので、ついつい目の前にある仕事や用事に目が奪われてしまいがちです。

そこで、先生やメンター、コーチといった指導してくれる人、進捗をもとにアドバイスしてくれる人、勉強の仕方のアドバイスをしてくれる人が必要になってくるわけです。また、そういった人を持つことができない場合でも、いっしょに勉強していくことのできる仲間がいると、そのことが継続していく励みにもなります。これはマラソンのトレーニングだったりエキササイズだったりを継続的にやっていくのと同じですね。

これからデータを使って意思決定を行っていくのが当たり前の時代となっていきますが、そうした時にはデータサイエンス、データ分析のスキルは必須となります。こうしたスキルというのは実は習得するのは、技術的にはそんなに難しいものではありません。ただ、何であっても新しいスキルを身につける時に当てはまることですが、そこにかける時間を確保できるか、やりきることができるかが難しいのです。

ぜひ、そこを乗り切ってこれからの時代に求められる変化を自分のチャンスに変えていっていただきたいと思います。


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