“Life isn’t about finding yourself. Life is about creating yourself.”

“人生とは自分探しではない。人生とは自分を創り上げていくことだ。”

by George Bernard Shaw

こんにちは、Exploratoryの西田です!

先週は日本では関西地方への大型台風と北海道での大地震が同じタイミングで直撃したことで、大変なことになっていたようですが、みなさんとみなさんのご家族の無事をこちらのよりお祈りしております。

ちなみに、こちらに今年日本に上陸した台風の経路を可視化してみました。今回の台風21号が大きかったのが見て取れます。

Exploratoryを持っている方は、こちらのページよりEDFをダウンロードして再現することができます。

ところで次回の10月のトレーニングの方は受付を終了しましたが、その次の1月のトレーニングの方の受付を開始しています。現在、早割の期間中ですので、データサイエンスの手法やデータ分析をゼロから体系的にいっしょに学びたいという方は、この機会にぜひご検討下さい!

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それでは、今週のWeekly Update、さっそくいってみましょう!

最近の興味深い英文の記事

Why Technology Favors Tyranny - リンク

現在、戦後体制を支えてきたリベラルな世界観が挑戦されています。

自由民主主義(リベラリズム)な世界観を共有しない中国の覇権が拡大し、そうした思想、価値観を世界中に広めてきた(良い意味でも、悪い意味でも)アメリカやイギリスでは反グローバリゼーション、反貿易、反移民といった鬱積がトランプ現象、ブレクジット(BREXIT)というかたちで噴出し、それどころではなくなってきています。

私達はリベラリズムこそが唯一の信じるべき価値観であり、そのもとで、すべての人たちが個人の幸せを追求し、そのことで社会全体も豊かになっていくことができるのだと思ってきたわけです。

ところが、現実は1%の人たちへのさらなる富の集中、経済のシリコンバレーへの世界的な一極集中、AIによる知的労働をふくめた自動化、毎日のように世界の何処かで起きている異常気象、挙げ句のはてには、最近のWeekly Updateでも取り上げましたが、全米規模でのオピオイド中毒の蔓延など、多くの人々の間には怒り、恐怖、そして絶望感が広まっていっています。

オックスフォード大学の歴史の教授でもあるYuval Noah Harariは「21 Lessons for the 21st Century 」という本の中で、現在のAIとバイオに関する技術的なブレイクスルーによる革命的な変化がこうした状況をさらに悪くしていると言います。

これは人間がAIに支配されるというSF物語に出てくるような問題としてではなく、すでに現実の世界で起きている、既存の独裁体制や独占的な企業群がAIを使って力をさらに増大させているという問題としてです。

現在のような先がどうなるかわからない混沌とした状況に必要なのは、より多くの情報ではなく、クラリティ(明快な視点)です。この本は何も関係のなさそうな点と点を結びつける線をAIやテクノロジーの進化を軸に描きだすことで、そのクラリティを与えてくれます。

これからの30年、社会がどうなっていくのかを考えるいいきっかけになるので、英語が問題ない方はぜひ手にとっていただきたいと思います。

最近、著者であるHarariがThe Atlanticというメディアに本の紹介を兼ねたエッセイを寄せていたので、みなさんに紹介したいと思います。以下のリンクよりどうぞ。

Amazonのジェフ・ベゾスへのインタビュー

Bezos Unbound: Exclusive Interview With The Amazon Founder On What He Plans To Conquer Next - リンク

いつもながら彼のインタビューからは興味深いインサイトが得られます。その中で一部、データサイエンスに関連するコメントがあったので、抜き出して紹介します。

“The most interesting thing about machine learning as opposed to a lot of other technologies is just how horizontal it’s going to be,” Bezos says. “There’s not a single category of business or government or anything, really, that can’t improve itself.”

「機械学習が他の多くのテクノロジーと違って最もおもしろいのは、とにかくさまざまなことに応用できるということだ。どんなビジネスや政府や何だとしても、一つのカテゴリーでも機械学習によって改善できないというものがないのです。」

Amazonは実はAI、機械学習に関しては昔から様々な場面で使っています。それは需要予測やサプライチェーンの最適化であったり、ウェブサイトでのレコメンデーションであったり、自動仕分けのためのロボットであったり。もちろん、AWSでAI,機械学習のサービスを提供する側でもあります。彼らのすごいのは、こうしたAI、ビッグデータに関するテクノロジーを積極的に様々な場面で使うことが、最終的には、彼らの顧客にとってさらに良いサービスを提供する、さらに安い値段で提供するというゴールにしっかりと結びついているというところです。彼らにとってAIとは別に流行りのものでも何でもなく、それは彼らのサービスを改善するための地味なツールの一つに過ぎないわけです。

データサイエンスのスキルは現在ものすごく必要とされている

Data Science skill is in much demand right now by LinkedIn - リンク

データサイエンティストは足りないというのはよく言われていることです。しかしそうはいっても、採用する側の企業の受け入れ体制が追いついていないこともあって、アメリカでは数年前までは多くの企業はなんとか地元で見つけて採用することができていたようです。

しかし最近は、より多くの企業が積極的に採用に乗り出してきたため、データサイエンスのスキルを持った人材不足が一層ひどくなってきているというレポートが先週、Linkedinから出てきました。特にひどいのが、ニューヨークとサンフランシスコ。それぞれ3万4千人、3万1千人ほどが現在足りていないとのことです。

より多くの業界がビッグデータを使って意思決定を行うようになるとともに、テックや金融だけにとどまらず、さまざまな業界でデータサイエンスがさらに重要になってきています。

データサイエンスのスキルをもった人材不足というのは数にするとまだそこまで大きくないですが、そのギャップはどんどんと大きくなっているようで、それはソフトウェアのエンジニア不足よりも大きくなるのではと言われています。ちなみに全米ではソフトウェアのエンジニア不足が21万2838人ということです。

Googleのデータセット検索サービス

Google Dataset Search - リンク

実は思っている以上に誰でもアクセスすることができる興味深いデータが世の中にはたくさんあります。こうしたデータはもちろん仕事や研究にも役立ちますが、データサイエンスの勉強をするときには非常に重宝するものです。

先週、Googleがそうしたパプリックデータを簡単に検索するためのサービスを公開しました。

先に何を検索したいのかわかっている時に便利です。もしそうでない場合は、以下が役立ちます。

  • Data Is Plural - メーリングリストに登録すると、一週間に一度興味深いデータのリストを送ってくれます。
  • Kaggle Datasets - いろいろなデータがリストアップされています。さらに他の人が行ったデータ分析なども公開されているので、参考になるかもしれません。

What Are We Writing?

先週は、以下の記事をTeam Exploratoryより出しました。

What Are We Working On?

Exploratory v5.0

次期バージョンのv5.0に向けて、データラングリングのSelectのステップやアナリティクス・ビューなどで複数の列を選ぶのをより簡単にするためにリデザインしています。列を検索、Control/Command/Shiftキーを使ったすばやい列の選択などができるようになります。また列の数が300を超えた場合でも対応できるようになります。

Exploratory社主催セミナー in 10月

10月のデータサイエンス・ブートキャンプで来日の際にセミナーを行います。データ分析を使ってビジネスを改善するために多くのシリコンバレーの企業で使われているフレームワークであるアナリティカル・シンキングの紹介をします。これからデータ分析を行っていきたいがどう始めていいか、ビジネスの成果にどう結びつけていけばいいかなど、疑問をお持ちの方はぜひこの機会にご参加ください。

セミナーに参加

データサイエンス・ブートキャンプ、1月開催!

おかげさまで来月10月のデータサイエンス・ブートキャンプはすでに満席となってしまいましたので、その次の開催の募集を始めています。次は1月です!

データサイエンスの手法やデータ分析をゼロから体系的にいっしょに学びたいという方は、この機会にぜひご検討下さい!

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それでは、今週は以上です。素晴らしい一週間を!

西田, Exploratory/CEO
KanAugust(Twitter)


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