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サッカーの世界にもアナリティクスが

How data analysis helps football clubs make better signings - リンク

「サッカーはデータを適用するには複雑すぎて、あまりにも自由度が高いとよく言われたものでした。しかし、最近はそういったことはあまり聞かなくなってきました。」と、サッカーのデータ分析企業の1つであるStatsBomのCEOであるTed Knutsonは言います。

ここ10年ほどの間にもっとサイエンスの力を使ったオペレーションが出てきました。それはチームの試合結果に影響を及ぼすだけではなく、どうやって新しい選手を雇うのにお金を使うかにも影響を与えてきました。

サッカーのアナリティクス時代はイベント・データと言って試合中の全てのボールに触れるアクションに関する詳細の情報を集めるところから始まりました。2006年には、ロンドンのOpta Sportsというチームは全てのパス、シュート、タックル、ドリブルの時間と場所をボタンを押しながら記録していました。

その後、「期待されるゴール(expected goals)」というシュートが得点になる可能性を、ゴールからの距離と角度をもとに計算するシステムが使われ始めました。このコンセプトは2017年にプレミア・リーグの代表的なTV番組である「Match of the Day」で紹介された時に多くの人達に知られることになりました。

選手レベルのデータの最も大きなインパクトは選手の獲得(リクルート)と維持(リテンション)です。

クラブは自分たちが理想とするような選手のプロファイルに統計的にマッチする選手たちのリストを、自分たちの本拠地を離れることなしに、作ることがとができます。

リクルートに関する分野で活躍する企業の1つに21st Clubというのがありますが、彼らのツールは、選手の試合中のアクションと彼らのチームの総合的なパフォーマンスのレベルの関係を計算し、それを持ってそれぞれの選手に得点をつけます。クラブ側はそのデータを使って雇いたいと思っている選手がチームの総合的なパフォーマンスをより良くするのかそうでないのかを見極めることができます。

FCバルセロナというクラブのデータサイエンティスト、Javier Fernándezは、コーチ陣がほんとうに知りたい質問の多くが、彼らの持っているイベントのデータではカバーできていないことに気づきました。コーチの人たちはスペースについてよく話をするのです。スペースを作れ、スペースに入れ、といった具合です。そこで、試合中のスペースを理解するためのもっと細かなデータが必要だということに気づきました。

データサイエンティストは「ゴースティング(ghosting)」という手法を開発しました。これはある状況において選手がどういった行動を取るかをアルゴリズムが予測するというものです。

「相手が混乱するような特定のシナリオを見つけます。例えば30秒ほど相手が体制を立て直すのにかかるとします。」

とは、STATSというアナリティクスの会社でAIサイエンティストをやっているPaul Powerの言葉です。

「この30秒にフォーカスしたトレーニングをすればいいのです。」

こうした手法は選手のリクルートにも大きな価値を発揮します。