ユニコーン企業データから考える将来性最強の国についての考察

はじめに

今月10月のEDAサロンのお題はユニコーン企業のデータです。ここで、ユニコーン企業とは何かを一度おさらいします。ユニコーン企業とは、

  • 評価額10億ドル(1,100億円)以上
  • 設立10年以内
  • 非上場

を満たす会社です。ひらたくいうと、若くて急激に成長している会社 ということです。こういう会社を生み出すことができる国というのは現在勢いがあって、さらにこれらの若くて勢いのある会社が今後も国を盛り上げてくれるであろうと思われるので、将来性がある、ということができるのではないでしょうか。

国ごとの合計評価額

まずは、単純に国ごとの単純な合計評価額をみてみます。

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圧倒的に大きいのがアメリカ、ついで中国となります。国同士を単純に比較するだけならばこれでいいのですが、これだと、ただ単に企業の総数が多いからユニコーン企業も多いんじゃないの的な話もあり、これをもって国の将来性を判断するのは少々乱暴です。そこで、各国に共通する指標をもとに、その比をもって比べてみることにします。

このあたりのことを調べるにはこのユニコーン企業データだけでは少々情報が足りないので、GDPおよび人口データを使い、2017年の国ごとのGDPと人口のデータを、ユニコーン企業データに付加しました。

GDPとの比較

国ごとの合計評価額を、国の経済力の指標として用いられるGDP(国内総生産)との比較をしてみます。

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多少の差はありますが、GDPと合計評価額は割と相関しているようです。

人口との比較

次に、国ごとの合計評価額と人口とを比較してみます。

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こちらのほうはだいぶバラツキが出ていて、人口が多ければ必ずしも合計評価額があがる、というわけではないようです。

合計評価額の対GDP比、対人口比

ここで、合計評価額の対GDP比、対人口比を見てみます。評価額に対してGDPと人口の値が大きいので、比べやすい数値になるように適度に調節してあります。

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対GDP比が高いということは、経済規模に対するユニコーン合計評価額の割合が高いということなので、高ければ高いほどよいといえます。対人口比も高ければ高いほどよいと言えるでしょう。

マルタ、シンガポール、エストニアは、ユニコーン企業総件数が1〜2件と少ないものの、対GDP比はかなり優秀であることがわかります。また、アメリカや中国は規模の割には高い比率を維持しており、さすがというところです。逆に日本は、GDPそのものは高いものの比率は低く、少々残念な結果となりました。

対人口比を見てみると、マルタ、シンガポール、アメリカあたりの国が優秀です。

ちなみに、この対GDP比、対人口比は、ピボットテーブルのCustom Function機能を用いて計算されています。興味がある方はぜひEDFをインポートして見てみてください。

対GDP比、対人口比のランキング

上記のピボットテーブルは数字がずらずらと並んでちょっとわかりずらいので、対GDP比、対人口比を表計算のRank関数を使って、それぞれランキングをつけて色付けしてみました。ランキングの高い方が濃い色になります。

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両方とも色が濃い国が、かなり将来性に期待が持てるのではないかと思います。さきほど挙げた、マルタ、シンガポール、エストニア、アメリカの他に、イスラエル、ルクセンブルクなどがよさそうです。

まとめ

ユニコーン企業の総評価額の対GDP比、対人口比を見ることで、マルタ、シンガポール、エストニア、アメリカ、イスラエル、ルクセンブルクといった国が経済的に将来性があるのではないかという結果が出ました。中でもアメリカは経済規模や人口が大きいにも関わらずよい結果が出ており、ただデカイからユニコーンが多い、というわけではないということが実証されました。