世界各国のスターバックス店舗数についての分析

理工学部物理学科2年 立澤 響

(1)各コーヒーショップの割合の比較

Loading...

 他の系列店も何種類か存在するが、全体の割合で見ると数パーセントに満たず、ほとんどスターバックスが占めている。

(2)国ごとの総店舗数

Loading...

 総店舗数の多い順に見ると、アメリカが13311店舗で最多で、以降中国、カナダ、日本、韓国と続いている。北米3国が上位にあるのは驚くにあたらないが、東アジア・東南アジアへの進出に野心的であることがわかる。

 一方、ドイツ、フランス、スペイン、ギリシャなどのイギリスを除くヨーロッパ諸国は比較的下位にある。

(3)各国のスターバックス店舗数と人口

Loading...

上の表は、(2)の表に、各国の人口の列を加えたものである。ここでは、店舗数と人口に関する考察は(4)に譲る。

(4)人口10万人あたりの店舗数

Loading...

 上の地図は、人口10万人あたりの店舗数で色分けしたものである。この数値は、店舗が人の生活圏にどのくらいの密度で展開しているかを、大まかに示す。

  • モナコ公国、アンドラ公国、クウェートなど人口の少ない国が極端に高くなる傾向にある。これらは分母の小ささに反応しているだけで重要とは言えない。シンガポールはこの要因に加え、総店舗数も多い。
  • 総店舗数が上位だったが、アメリカに大きく離されていたカナダ・韓国・イギリスは、それほど大きく離れた値ではなく、同じオーダーにある。
  • マレーシア・タイ・台湾など東南アジア諸国、北欧、ペルー・チリ・アルゼンチンなど南米諸国は、人口に比して店舗数がとても多い。

(5)国・地域ごとの経営の形態についての分析

 続いて、各国・地域で店舗形態にどのような違いがあるかを見る。店舗形態には、直営店(CO)、ライセンス店(LS)、合弁事業店(JV)、合弁事業店(JV)、フランチャイズ店(FR)の4つに分けられる。

(5-1)アメリカと日本の店舗形態

 ここでは、まずアメリカと日本の違いに着目する。下の図の左側のグラフが日本、右側がアメリカのデータである。

Loading...

  • 両国とも、FRを含んでいない。
  • 日本の構成を見ると、8割以上がJVで占められており、COとLSを合わせても十数%にとどまっている。
  • アメリカでは、ほぼ6割がCOで、4割がLSとなっており、JVは見られない。

 日本は合弁事業店が中心となって展開していて、アメリカでは直営店とライセンス店が互いにバランスを保って運営されている様子がわかる。スターバックスが生まれた国、アメリカのこの経営スタイルはもう少し調べてみる価値がありそうだ。

(5-2)アメリカ各州の店舗分布

 アメリカ各州の店舗数

Loading...

アメリカ各州におけるCOの割合

Loading...

 上の二つの図を見比べると、ある程度一致していることがわかる。このことは、店舗数の多い州ではCOで、それに比較してまばらな州はLSで運営するという分担がなされていることを示唆する。