サブスクリプション型のビジネスでよく使われるレイヤーケーキ・チャートの作り方

SaaSやサブスクリプション型のビジネスでは、ビジネスの効率的な成長を示す「健康度」を可視化するためにレイヤーケーキ・チャートがよく使われます。

レイヤーケーキ・チャートとは、「利用開始時期」で顧客をグループ(色)分けした上で、それぞれのグループのMRR(月間定期収益)の推移を可視化したものです。開始時期が古いグループから新しいグループとなるように積み上げたものが階層(レイヤー)に見えるため、「レイヤーケーキ」と呼ばれています。

必要なデータ

以下のような、1行が1顧客の毎月の支払いを表し、その顧客の利用開始日を列に持つデータがあれば、レイヤーケーキ・チャートは作成できます。

このようなデータがあれば、「エリア」チャートを使って、MRR(月間定期収益)を可視化し、「色(グループ化)」に「利用開始日」を選択するだけです。

しかし、手元にあるデータに顧客ごとの利用開始日の列がない場合もあります。

そこでこのノートでは、サービスの利用開始日の列を作成して、レイヤーケーキ・チャートを作成する方法を紹介します。

なお、データはこちらからダウンロードできます。

利用開始日の列を作成する

今回は顧客ごとに「開始日」を計算したいので、「支払い日」の列ヘッダメニューか ら「表計算を作成」の任意のメニュー(今回は「行番号」)を選択します。

表計算のダイアログが表示されたら、値に「支払い日」、列名に「開始日」、計算のタイプに「最小値(MIN)」を選択します。

プレビューをボタンをクリックすると、全ての日付が同じになっていることを確認できます。

今回は、「顧客ごと」に開始日を計算して、開始日(月)ごとのグループに分けたいです。

そこで、グループに「顧客ID」を選択し、「プレビュー」ボタンをクリックします。

顧客ごとに「開始日」を計算できていることを確認できたら、「実行」ボタンをクリックします。

顧客ごとの「開始日」の列を追加できました。

レイヤーケーキ・チャートを作成する

データの準備ができたので、レイヤーケーキ・チャートを作成します。チャートビューに移動し、チャートタイプに「エリア」を選択します。

続いてX軸に「支払い日」を選び、丸め処理に「」を選択し、

Y軸に「支払い金額」を選び、集計関数に「合計値(SUM)」を選択します。

最後に、色(グループ化)に「開始日」を選び、スケールには丸め処理の「月」を選択します。

MRRを利用開始時期ごとにグループに分けられましたが、継続期間が短い顧客から順に下からMRRが積み重なっていて、各コホートの推移が直感的に分かりづらくなっています。

レイヤーケーキチャートでは継続期間が長いコホートから順にMRRを積み上げます。

そこで、「色(グループ化)」のメニューから「色とグループ」を選択して、色の「並び順」を変更します。

「色とグループの設定」のダイアログが表示されたら、「並び順」を「下から上」に変更して、適用します。

継続期間が長いグループから順にMRRを積み上げられました。これで、レイヤーケーキ・チャートの完成です。


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SaaS アナリティクス・トレーニング

今回は、レイヤーケーキ・チャートの作り方を紹介しましたが、SaaSのデータ分析について、もっと詳細を知りたい、さらに自分でもできるようになりたいという方は、この12月にサブスクリプション型ビジネスに特化したトレーニングを開催予定ですので、そちらへのご参加をご検討いただければと思います。

こちらのトレーニングは、SaaSを含むサブスクリプション型のビジネスの改善に必須である、ビジネス指標(KPI)の定義、コンバージョンやチャーン(解約)の要因分析、さらにそれらの先行指標となるエンゲージメントの計算方法や分析手法を効率的に学んでいただくための2日間のトレーニングです。

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