このノートは、Exploratoryを効率的に使い始めることができるように作られた「Exploratoryの使い方」の第7弾、「パラメーター」編です。
Exploratoryでチャートやアナリティクスを作って得られたインサイトを他の人たちにインタラクティブに共有できる「ノート」の作成と共有する際の便利な機能を、実際にサンプルデータを使って手を動かしながら学んでいただくようにデザインされています。
Exploratoryでは、ダッシュボードを使ってビジネス指標 (KPI) をモニタリングしていくことができます。その中で、インタラクティブ・フィルターという機能を使うことで、クリックした特定のグループに絞り込んでチャートを表示することができます。
一方で、日付の期間を指定したり、数値の範囲を指定するといったように、より柔軟にデータを絞り込みたい場合は「パラメーター」機能がおすすめです。
パラメーターはデータを絞り込む以外にも、計算方法やデータベースへのSQLクエリの内容を変えたりなど、ダッシュボードをよりインタラクティブなものにすることが可能となっています。
所要時間は20分ほどとなっています。
それでは、さっそく始めていきましょう!
今回はサンプルデータとして「従業員」データを使用します。使用するサンプルのプロジェクトは、こちらからダウンロードいただけます。
Exploratoryの「プロジェクトの管理画面」のページに移動し、先ほどダウンロードしたプロジェクトをドラッグアンドドロップします。
あるいは、「プロジェクトをインポート」のボタンから「[ローカルに保存されたプロジェクト (.epf)」を選択し、プロジェクトファイルを選択してインポートすることもできます。
プロジェクトを開くと、従業員データが含まれていることがわかります。
テーブルビューを開き、1番目のステップをクリックします。
今回は、部署をパラメーターを使ってフィルタをしたいため、部署の列ヘッダメニューから「フィルタ」を選び、「どれかに等しい(複数の値)」を選択します。
フィルタのダイアログが表示されるため、パラメータを選び、「プラス」ボタンをクリックします。
パラメーター作成のためのダイアログが表示されました。
パラメーターの名前と表示名を指定します。名前には英数字およびアンダースコア ( _ ) のみが使用可能です。表示名は日本語の文字を指定することができます。
データ型には「Character(文字)」が選ばれており、入力タイプには「値のリスト(複数選択)」が指定されています。このデータ型と入力タイプは、フィルタ対象のデータタイプと演算子と一致している必要があります。
値のリストには、すでに下記のように設定がされています。データフレームから値を取得をする場合は、そのデータフレームにある特定の列の値をパラメーターのリストとして使うことが可能です。
手動で値を設定したい場合は、「手動で値を入力」をご使用ください。
パラメーターの設定が完了したら、「保存」ボタンをクリックします。
フィルタのダイアログの方には、先ほど作成した部署のパラメーターがセットされているため、実行ボタンをクリックします。
これにより、部署の列を対象にパラメーターを設定することができました。
画面の右上にある「パラメーター・ウィンドウを開く」のボタンをクリックします。
例えば、部署に「営業」を指定して実行することで、部署が営業のみのデータに絞り込まれていることが確認できます。
チャート・ビューの方にも移ってみましょう。
今回は、職種ごとの従業員数のバーチャートを表示します。このチャートでは、4番目のステップにピンが紐付けされているため、すでにステップ2にあるパラメーターが適用されています。
そのため、2番目のステップにある「部署のパラメーター」を使うことができ、パラメーターウィンドウを開いて好きな値に絞り込んでいくことが可能です。
もし、絞り込みの条件を解除して全ての値を選択したい場合は、「選択なし」を選び、何もチェックされていない状態で実行することで可能です。
先程はステップとしてフィルタにてパラメーターを設定をし、そのステップに紐づくチャートは全てパラメーター化することができました。
一方で、特定のチャートのみでパラメーターを使いたい場合には、「チャートフィルタ」を使って設定することが可能です。
例えば、職種ごとの従業員数のチャートで、年齢の範囲を決めて絞り込んでいくとそれぞれの職種にどれだけの従業員がいるのかを調べたいとします。
そのため、年齢の列をもとにしたパラメーターを作成をし、先ほどのチャートに適用したいです。
職種ごとの従業員数のチャートを開き、フィルタをクリックします。
チャートフィルタのダイアログが表示されるため、列には「年齢」を、演算子には「範囲内(指定した値を含む)」を選択します。
タイプには「パラメーター」を選び、新規作成するために「プラス」ボタンをクリックします。
パラメーター作成のためのダイアログが表示されるため、パラメーターの名前と表示名を指定します。
データ型には「Numeric(数値)」が選ばれており、入力タイプには「スライダー(範囲)」が指定されています。
データフレームから値を取得を選び、それぞれ下記のように指定します。
また、値の範囲には年齢の最小値と最大値を読み取ってセットされます。ステップサイズはスライダーを動かす際のステップ(幅)となっており、1を指定をすると1刻みで変更が可能です。
パラメーターを保存し、チャートフィルタに先ほど作成した年齢のパラメーターを設定します。
このチャートのみに、年齢のパラメーターを適用することができました。
結果を確認するために「パラメーター・ウィンドウ」を開きます。
これにより、年齢の範囲を自由に指定してチャートで結果を確認することができます。
例えば、下記のように職種ごとの給料の平均値を可視化したバーチャートがあったとします。
この給料はドル払いでの月額給料となっており、これを日本円に変換したいです。
しかし、ドルから日本円への為替レートは日によって変わるために、固定のレートではなく、その時のレートに応じて柔軟に変更したいとします。そこで、計算式にパラメーターを使用して見ましょう。
新しくパラメーターを作成したいため、パラメーター・ウィンドウを開きます。
パラメーター・ウィンドウの中にある「設定」をクリックします。
パラメーターの作成ダイアログが表示されたため、「新規パラメーターを作成」をクリックします。
新しくパラメーターが作成されたため、パラメーターの名前と表示名を指定します。
次に、データ型には「Numeric(数値)」を選び、入力タイプには「テキスト入力」を指定します。
ドルから日本円への為替レートのため、範囲には下記のように設定をします。
パラメーターの設定が完了したら、「保存」ボタンをクリックします。
次に、給料の列から「計算を作成」の「標準」を選択します。
計算を作成のダイアログが表示されるため、給料に対して先ほど作成した為替レートのパラメーターで掛け算を行いたいです。 計算エディタで「@」を入力することで、このプロジェクトで作成されているパラメーターが候補として表示されます。
計算エディタには、下記のように指定をします。
給料 * @{Rate}
給料の列を上書きしたいため、「既存列を上書き」にチェックをつけて実行します。
給料に対してパラメーターで設定した為替レートをかけて「日本円」にすることができました。
パラメーター・ウィンドウから為替レートの値を変更することで、ダイナミックに給料を日本円にすることが可能です。
職種ごとの給料平均を開始かしたバーチャートを開き、チャートピンを給料を日本円に変換したステップに紐づけます。
これにより、チャートの方でも日本円への為替レートを変更したうえで、結果を可視化していくことができました。
先ほどセットしていったように、チャートにパラメーターが適用されている場合は、特に追加で設定をする必要なしにダッシュボードでパラメーターが使用できます。
レポート欄にある「従業員ダッシュボード」を開きます。
ダッシュボードのウィンドウが表示されるため、実行ボタンをクリックします。
ダッシュボード内のチャートにパラメーターがセットされている場合は、右上に「パラメーター」ボタンが表示されます。
パラメーターボタンを押すと、先ほど設定したパラメーターがリストされ、値を変更して動的に結果を確認していくことが可能です。
Exploratoryの使い方のパラメーター編は以上となります!
このチュートリアルではカバーできなかった機能が他にもたくさんあります。 パラメーターについてさらに詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
パラメーターを作成する方法 - リンク
ダッシュボードなどを共有しているユーザーでデータ再インポートして、最新のデータで結果を確認したいことがあります。
そういった時には、インタラクティブモードを「On」にして、実行にあるプルダウンから「実行(データ再インポート)」を押すことで、共有されているユーザー側からもデータを更新することが可能です。
ダッシュボードでパラメーターを設定していない場合でも、「実行(データ再インポート)」を使ってデータを更新することができます。
注意点として、この機能はスケジュール機能と同じで、Exploratoryサーバーからデータにアクセスできるデータベース(例: BigQuery)やクラウドアプリケーション(例: Google Sheet、など)に限られています。
もしこのオプションを有効にしたくない場合は、メニューから「設定」をクリックします。
次に、「データの再インポートを有効にする」のチェックを外して更新します。
これによって、「実行(データ再インポート)」は表示されなくなり、通常のパラメーターの実行のみが表示されるようになります。
もし、パラメーターを使用していない場合は、インタラクティブモード自体が表示されなくなり、「実行(データ再インポート)」もできないようになっています。
Exploratoryの使い方シリーズの他のパートには下記のリンクからご確認いただけます。