CLV(Customer Lifetime Value/顧客生涯価値)は、1人の顧客がサービスを利用し始めてからサービスを解約するまでの期間に企業にもたらす総収益を示す重要な指標です。
特にSaaS企業の経営陣やプロダクトマネージャー、マーケティング担当者にとって、この指標は顧客獲得戦略や顧客維持施策を策定する上で不可欠な判断材料となります。
CLVは新規顧客の獲得時だけでなく、定期的にモニタリングすることで、サービスの健全性や成長性を評価する指標として活用されます。
CLVがどのようなものなのかを詳しく説明する前に、今一度、SaaSのビジネスが売り切りのビジネスとどのように異なるかを見ていきたいと思います。
例えば10万円の売り切りのライセンス・ビジネスと月額1万円のSaaSサービスを比べてみます。
売り切りのビジネスでは1人の顧客にライセンスを販売したら、翌月もその顧客から収益が見込めるとは限りません。
SaaSの場合、売り切りビジネスと異なり、顧客がチャーン(解約)するまで、継続して収益を得ることができます。
つまり、SaaSの場合、売り切りビジネスと異なり、顧客がチャーンするまで、顧客から得られる収益が累積していくことになるわけです。
もう少し具体的なケースで考えてみます。例えば、今年の1月に利用を開始した顧客が、12月にチャーンしたとします。
このとき、顧客が12月チャーンして初めて、その顧客1人の生涯を通して得られる、通算の収益が決まります。
この通算の収益を**CLV(顧客生涯価値/Customer Lifetime Value)**と呼び、LTV(Lifetime Value)と呼ばれることもあります。
例えば、このユーザーは月額1万円のサービスを12ヶ月利用したので、CLVは12万円となります。
そして、CLVがわかれば新規顧客の獲得や既存顧客の維持に、どれくらいの費用をかけられるかを決めることができます。
そのためSaaSのビジネスではCLVを推定することが重要になるのです。
CLVの具体的な計算の仕方は以下のリンクしていますので、ご参考ください!
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